露偵察機がデンマーク民間機と異常接近

Su-34 Russia.jpg12日、ロシア軍の電波情報偵察機とデンマークの民間航空機が衝突寸前になり、航空管制機関が民航機に緊急回避指示を出していたことが明らかになりました
ロシア機による欧州方面(スカンジナビア半島沖からポルトガル沖上空、更にバルト海上空)での活動が活発化し、冷戦期を彷彿とさせる大規模飛行が繰り返えされる中での事案で、デンマークとスウェーデンが外交ルートでロシアに抗議しています
ルーブル相場崩壊でロシア経済の先行きに不安感が漂う中、荒っぽいロシア軍の行動に、欧州諸国はロシアの本性を再び見た思いのようです。
12日付Defense-Newsによれば
An-26.jpg●12日、デンマークのコペンハーゲン空港を離陸した民間航空機(Cimber Airlines CRJ 200 ER)がロシア軍の電波情報偵察機(SIGINT機)と衝突寸前になり、民航機を管制していたスウェーデン航空管制機関が民航機に緊急回避指示を出した
●スウェーデン統合参謀本部は「最近のロシア軍航空部隊の活動は、冷戦以降では前例のない規模である」と一連の露軍の動きに驚きを隠さない
●スウェーデン国防省によれば、衝突回避したが民航機とロシア軍偵察機は9kmまで接近した。デンマーク軍のF-16とスウェーデン軍のグリペン戦闘機がスクランブル発進し、ロシア偵察機の機影を確認している
デンマークとスウェーデンはそれぞれのロシア大使を呼びつけ、抗議を行った。特に両国は、ロシア軍機が識別装置をオフにし、管制機関がレーダー上で確認できない状態で飛行していたことを問いただした
TU-22M-2.jpg●スウェーデン外務相は「デンマークとスウェーデンは一体となり、ロシア軍によるニアミス事案に対処する。ロシアには厳重に抗議した」と述べている
●デンマーク国防相は「我々はロシア軍の活動活発化に直面しており、その活動は不適切なものである。関係国との緊密な連携が重要である」と語った
●両国の国防当局者が近く協議を計画しており、これにフィンランド、ノルウェー、バルト諸国等も参加する方向にある
●最近のロシア軍航空活動は、TU-95大型爆撃機、Tu-22M大型爆撃機, Su-34戦闘機, Su-27戦闘機, Su-24戦闘爆撃機, MiG-31戦闘機、Il-76空中給油機やAn-26等によるモノである
ニアミス事案についてロシアは
SU-27-1.jpg●17日、Mikhail Vanin在デンマーク露大使は「スウェーデンは彼らの領海内に(ロシアの)潜水艦が侵入したと騒いでいたが、そんなモノは存在しなかったのだ」と述べた
●更に「今回また彼らは何かを見たと騒いでいる。スウェーデン人は(麻薬取引で有名な)Pusher通りに通いすぎではないのか」と地元紙に語っている
●同大使は当該時間帯にロシア軍機が周辺空域をパトロールしていたことは認めたが、両国からの抗議に70km以上離れていたと主張した
●また最近活発化しているロシア軍機の活動について、「恐らく、NATOによる活動と事態のエスカレーションに対応するためだ」と訴え、「もしNATO側が活動を抑えれば、ロシアもそうするだろう。ロシアのクマを威嚇するな」とまで述べた
●更にスウェーデンはデンマークなど周辺国と歩調を合わせ、ロシアが危険な隣人だと宣伝しているが、それは危険な行為だ、と露大使は語った
SU-24-1.jpg●スウェーデンはNATOメンバーではないが、10月にロシア軍のモノらしきミニ潜水艦が領海内に潜入したと主張している。国籍を確認するまでには至っていないが
●また9月には、ロシア軍戦闘機2機が同国の領空を侵犯したとして、ロシアに抗議を行っている
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日本周辺ではどうなんでしょうか? 何かあったときは、スウェーデンやデンマークのように、外交ルートで厳しく対応しているのでしょうか? 言う時はきっちり言っておかないと、あとで甘く見られる可能性があります
オバマ政権の「レイムダック化」につけ込み、ここぞとばかりにプレゼンスを誇示するロシア軍ですが、何をしたいのでしょうか?
ルーブル相場崩壊で、ロシアの来年度予算は削減されることがほぼ確実で、プーチンが主導して進めてきた軍の大規模近代化も、計画に遅れが予期されています。
石油輸出依存のロシア経済の実態が衆目の知り所となり、面目丸つぶれのプーチンですが、まだまだ続けるのでしょうか? こんな事を・・・
「露ミニ潜水艦が領海侵犯?」
→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-10-23

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