複数のトルコ報道によれば、22日トルコ政府は、これまで米国等からの要請を拒否続けてきた方針を覆し、対IS空爆を実施する多国籍軍機がトルコ空軍基地を利用することに同意した模様です。
同じく報道によれば、トルコの方針変更はトルコ軍に死傷者が出たことが影響しているようです
また、トルコ空軍機が24日未明に対IS空爆を開始したとの報道もある模様です
24日付米空軍協会web記事によれば
●数ヶ月にも及ぶ交渉の末、トルコ政府は、米軍及び多国籍軍機が対IS空爆のためにトルコ空軍基地(Incirlik Air Base)を使用することを許可した模様である。複数のメディアが報じている
●これら報道は、22日付でホワイトハウスが「オバマ大統領がトルコ大統領と協議し、対IS作戦に関する協力深化について話し合った」と発表した後から見られるようになった
●米国務省高官はトルコ日刊紙Hurriyetに対し、「同空軍基地は対IS作戦に8月初旬からオープンになるだろう」と語った模様だ
●同紙はまた、トルコ副首相も22日、アンカラの報道陣に「米国代表団とのミーティングで、多国籍軍による対IS作戦を支援する件について、幾つかの合意を行った」と語ったと報じている
●トルコはこれまで、シリアの反政府戦闘員の訓練支援には同意していたが、米国主導の多国籍部隊がトルコ軍基地から空爆を発進することは拒否してきた。
●トルコ政府の方針変更は、トルコ南部のKilis郡で、シリアからの砲撃トルコ兵3名が死傷した件が契機だと、トルコ政府系通信社が23日付で報じている
トルコ外務省が同国F-16によるIS空爆を発表
●トルコ外務省は、27日早朝、トルコ空軍機がISに対して3カ所の空爆を行ったと発表した
●トルコ首相府も、24日朝3時12分にトルコ空軍基地(Diyarbakir)を離陸したトルコ空軍F-16による攻撃で、推定35名のIS武装兵士と司令部施設2カ所を破壊したと発表した
●同外務省の声明は、「トルコ空軍部隊は対IS作戦任務を付与された」、「作戦目的はトルコの安全を守ることに加え、IS支配地域の一般住民の安全を高めること」と表明している
トルコ軍機も対IS参戦か(24日産経電子版)
●トルコからの報道によると、シリア領内にあるイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」の拠点3カ所に対して、24日未明、トルコ軍が空爆を実行した。
●イスラム国に対して、トルコ軍による空爆は初めて。(中東支局)
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新たに米軍の主要指揮官になる候補者が、承認を得るため米議会の軍事委員会に続々出席して発言していますが、皆が口を揃えて「ロシアの脅威」を一番に訴えているようです。
決して他を軽視しているわけではなく、今のロシアはこれまでとは異なる・・・と言いたいのかと。
そんな折り、対ISに新たな展開で、朗報です。ISの様な「異様な集団」には、多少の利害を乗り越え、緩やかでも多くの国が協力すべきだと思います。
トルコもお尻に火がついてきたものと思われます。
トルコの防空システム選定問題
「NATOと連接しない」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-20
「4度目の延期」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-07-04
「トルコが中国企業と交渉開始?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-09-27
「トルコは中国製を選定か?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-06-24