露軍が北極圏用に戦闘機と防空ミサイル部隊編成へ

8月31日、ロシアのSergei Shoigu国防相が公開討論会で、「北極海ルート」の開発を支えるため、新たな戦闘機部隊と地対空ミサイル部隊を北極圏担当コマンドに創設すると語った模様です。
露国営のスプートニクNews報道によれば
Russia-DM.jpg石油天然ガス等の化石燃料や、欧州とアジアを結ぶ従来の海路の代替となる重要な北極航路の開拓のため、ロシアは北極圏の領土開発を強力に推進しているところである
●ロシアはまた、北極圏での軍事プレゼンス拡大強化にも注力している。Shoigu国防相は、他の国防関係高官を交えた公開討論会で、「年末までに、当該戦闘機部隊と地対空ミサイル部隊の編制を完結しなければならない」と語った
Dmitry Rogozin露副首相も今年4月、ロシアは今後2015年から2020年にかけ、約4500億円を投資して北極圏開発計画に当たる予定だと発言している
4日付米空軍協会web記事によれば
Rogozin-1.jpg●戦闘機部隊と防空ミサイル部隊新編の発表は、今週オバマ大統領がアラスカを訪問し、「北極圏安全保障イニシアティブ」を明らかにしたタイミングに合わせるように行われた
●4月にRogozin露副首相が約4500億円の北極圏開発計画を明らかにした際、北極圏の拠点とロシア本土との指揮統制システム整備も計画に含まれていることを明らかにしている
●2014年にウクライナを巡る紛争が発生して以降、ロシア軍は北極圏でも「大規模なsnap drill:短期間ながら集中した即応演習」を行っている
ベーリング海で中国海軍艦艇を初確認
ArcticPct.jpg2日、中国海軍艦艇5隻がアラスカ沖のベーリング海の公海上を航行していることが米政府により確認された。国防省によれば、同海域で中国海軍艦艇の活動確認は初めて
●AP通信によると、活動が確認されたのは水上戦闘艦3、揚陸艦1、補給艦1の計5隻
●中露海軍は8月末、露ウラジオ沖の日本海で合同軍事演習を実施しており、参加艦の一部がアリューシャン列島を抜けベーリング海に入ったという。
中国は北極海開発への関心を強めており、昨年も中露海軍演習後に北方を経由して中国艦隊は帰投している
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対応の素早さは、「さすが独裁国家」と言わざるを得ません。
東も南シナ海も、東欧も、中東も、北極圏も「波高し」です。
しかし国会での野党の皆様の様子からは、「井戸の中で波風」をたて、「外界の荒波」に立ち向かう前に、自ら沈もうとするかのごとくです
北極海を巡る米国や露の動き
「極地でのC-17輸送能力向上」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-02
「無人潜水艇で北極海調査」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-04
「露が北極基地建設を加速」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-09
「北極海での通信とMUOS」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-08-25-1
「米国防省の北極戦略」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-11-23-1
「米海軍が北極対応を検討中」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-11-20

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