18日、今月初めに就任したばかりのDunford統合参謀本部議長が、初めての海外訪問先としてイスラエルを訪れ、イスラエルのネタニアフ首相、国防相、軍参謀総長と表敬&会談し、その後ヘリでシリア国境に飛び、国境を前にした場所で緊迫した情勢のブリーフィングを受けました
前任のヘーゲル氏は国防長官就任直後にイスラエルを最初に訪問しましたが、2月就任のカーター国防長官は7月にイスラエル訪問です。Dunford議長は「ロシア軍@シリア」や「イラン核合意」の件もあり、一番にイスラエルを選んだのでしょう
Dunford議長は、19日にヨルダンでアブドラ国王や国防相や軍参謀総長と会談し、ヨルダンで「誰かを」訓練している米軍人を激励、夕刻にはイラクに入り、20日にはクルドのバルザーニ大統領、イラクのアルアバディ首相や国防相と会談し、既に帰国した模様です
1日1国の激しいスケジュールでした。
18日付米国防省web記事によれば
●ダンフォード新議長はネタニアフ首相への表敬の際、「2週間前に職務に就いたばかりですが、イスラエルが最初の海外訪問先となりました。これは貴国と米国との重要な関係を反映したものです。特に両国関係の中でも、両軍関係は重要な位置付けにあります」と語った
●また議長は「イスラエルの安全保障の指導者と会うことは極めて重要であり、当地域の様々な課題に対する解決策は、両国の協力によってもたらされると確信している」とも述べた
●ネタニアフ首相は安全保障の問題について語り、「イスラム武装勢力」が列をなす様子を訴えた。特に、イラクのISILであるスンニ派過激派と、イランの支援を受けたシーア派がイスラエルの脅威であると言及した
●また同首相は、イランがシリアやレバノン等の内部の親派に資金援助しているを問題を提起し、「イランは、イスラエルとの国境から遠くない地域に数千人の兵力を配置している」と主張した
●更に同首相は、イランがヨルダン内に浸透し転覆を謀っていると警戒感を示し、同時にイランによるハマスやイスラミックジハードへの無人機提供の試みを訴えた
●「課題には事欠かない状態だが、当地域やイスラエルに向けられた侵略行為を阻止しなければならないとの共通認識は得られた」と首相は語った
●統合参謀本部の広報担当Hicks大佐は、イランとの核合意についてもネタニアフ首相との間で話題になったが、両者は双方の見解に相違があることを確認したが、イランが好ましくない行動を取った際には協力して対応する必要があることを確認した、と述べた
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米国防省のwebサイトが、ネタニアフ首相の主張を丁寧に紹介する辺りに、米国のイスラエルへの気の使いようが伺えます。
広報担当Hicks大佐が触れた「イラン核合意」に関する部分は、ネタニアフ首相が厳しい言葉でダンフォード大将に迫ったものと思います。それこそ「歯に衣着せぬ」言いブリだったと想像致します
それにしても強行軍です。1日1国のペースで回るのでしょうか? 今でもフルマラソンOKで、時間を見つけては7マイル走で汗を流すDunford海兵隊大将です。
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