SpaceXがロケット1段目逆噴射回収に成功

これはすごい!
技術はSFの世界で、その執念は熱血青春漫画の様です!
reusable Falcon 93.jpg21日、Elon Musk氏が率いるSpaceX社が、同社のFalcon 9ロケットで商用通信衛星の打ち上げを行い、更に打ち上げたロケットの1段目を逆噴射で着陸させ回収する事に成功しました
同社は今年6月、同様の実験を行いましたが、ロケットが斜めに傾いて着陸に失敗しており、教訓を踏まえた改修後の再チャレンジで偉業を成し遂げました
この模様は多数の動画で紹介されていますが、短くて雰囲気の伝わるものを併せてご紹介します。でも本当にすごいです!
23日付米空軍協会web記事によれば
reuseable Falcon 93.jpg●21日夜8時29分に打ち上げられたFalcon 9ロケットは、商用の通信衛星(ORBCOMM’s OG2)の分離に成功後、打ち上げから約10分後に、再利用可能な1段目のロケットの着陸にも史上初めて成功した
再利用可能な1段目ロケットの成功は、ロケット打ち上げコストの削減につながり、同社が既に成功させた国際宇宙ステーションへの貨物輸送だけでなく、次に狙っている米空軍装備の打ち上げ参入にもつながるものと期待されている
●なお米空軍は本年5月、同社のFalcon 9ロケットに安全保障衛星等の打ち上げ承認を与えている。
流れの説明と管制センターの喜びの風景


上空から撮影した着陸の様子

支援した米空軍宇宙コマンドは
reuseable Falcon 92.jpg●Falcon 9の打ち上げと着陸回収が行われたフロリダ州ケープカナベラルの東発射場での発射は、米空軍宇宙コマンドの第45宇宙航空団が管理しており、打ち上げに伴う指揮通信やテレメトリ送受信、レーダーやカメラ観測、気象情報支援等々を行っている
●なお低高度軌道(LEO)に投入されたORBCOMM社のOG2通信衛星は、世界中の僻地との通信を高い信頼性で確保するためのもので、同タイプの2個目の衛星であった
●史上初のロケットの逆噴射着陸成功に興奮を隠せない同航空団のWayne Monteith准将は、「今日の出来事は、東発射場の成功の歴史に新たな感嘆符を加える歴史的なイベントとなった」、「1段目ロケットの着陸回収という、偉業をなしえたチームの興奮と喜びを表現する言葉を思いつかない」と語った
●また同准将は「この革新的技術を成功に導いたメンバーの、一日も無駄にしなかったハードワークを、声を大にして紹介したい」と述べた
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Elon Musk氏が率いるSpaceX社は、この他にも、Falcon 9ロケットの1段目を3本くっつけた大型ロケット「Falcon Heaby」の打ち上げも来年計画しており、成功すれば「Delta 4」を上回る打ち上げ能力を獲得できるようです
今後もSpaceX社に注目です!
電気自動車メーカー「テスラCEO」としてのElon Musk氏
なお、Elon Musk氏はEV(電気自動車)メーカーのテスラ社のCEOでもあります。
Elon Musk modelX.jpg最近話題は、独VWが排ガス規制逃れに違法ソフトを車に搭載していた件で、米国内でリコールや罰金を課す方向にある中、代わりにEVもしくはFCV(燃料電池車)の工場を米国内に作らせ、不正により余分に排出された排気ガスをオフセットさせろ、と主張をしている点です
「今後の世界の潮流の中でEVは大きな存在となり、EV用の電池需要が伸びる。VWは州内に大規模な電池工場も建設すべき」との要望書を公開し、ゼロエミッション社会の実現推進にも取り組んでいます
なおテスラ社は、2014年6月に同社の持つEV関連のすべてのパテントを公開し、大企業の参入を促進するという驚きの動きで世界をあっと言わせたところです
SpaceXと軍事衛星打ち上げ問題
「混迷の米衛星打ち上げ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-24
「10年ぶり米軍事衛星打上げに競争導入」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-03
「軍事衛星打上げにSpaceX参入承認」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-05-27

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