19日、米空軍宇宙コマンドJay Raymond司令官と米戦略コマンド宇宙作戦司令官であるDavid Buck空軍中将が、下院軍事戦略軍小委員会で証言し、この夏にも一般宇宙関連企業の保有する商用宇宙関連データも国家宇宙防衛センターNSDCで利用可能になると語りました
この国家宇宙防衛センター(NSDC:National Space Defense Center)は、今年の春まで「JICSPOC:Joint Interagency Combined Space Operations Center」と呼ばれていたものを、「誰もが、何のための組織か理解できるようにするため」に改称された宇宙作戦の拠点です。
NSDCは米国防省幹部も高く評価する大宣伝売り出し中の宇宙アセットで、状況の掌握が極めて難しい宇宙ドメインに、米軍だけでなく、関連政府機関や諸外国の協力も得て取り組むコンセプトを具現した指揮所です
NSDCはコロラド州のSchriever空軍基地に所在し、米戦略コマンドがリードし、国家偵察室(NRO)、空軍宇宙コマンド、米空軍研究所ARRL、情報コミュニティー、宇宙関連情報提供企業が協力し、更に同盟国からの連絡要員も加わって運用する形態で、2015年10月に正式運用を開始した宇宙作戦センターです。
商用宇宙データ導入を米空軍協会web記事は
●Buck中将は議会で、この夏我々は「non-traditional data pre-processor」と呼ばれる機能を導入すると明らかにし、「我々の宇宙監視ネットワークに、商用宇宙データを取り込むことが可能になる」と説明した
●また米空軍宇宙コマンド司令官であるJay Raymond大将は、この一般宇宙関連企業のデータを取り組みを、次世代の宇宙を含む指揮統制C2要求を満たすために、一般企業も仲間に入った「consortium」で行う大戦略に関連していると説明した
●そしてRaymond大将は、「我々はすべてのデータを必要としており、それは一般宇宙関連企業のデータから、高度なインテリジェンス情報までの全てである」と語った
●更に同大将は、一般企業までを取り込んだ「consortium」を解説するため「iPhone」を取り上げ、オープンソースな環境を提供して多様な企業がアプリを提供し、多様な利便性を実現したコンセプトを讃えた
●「オープンな基準を設定し、すべてのプレイヤーに参画してもらいたい」と同大将は語り、NSDCで早急に実現するため、米空軍のRCO(緊急能力造成室)の支援をお願いしていると語った
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上記の記事で「商用宇宙データ:commercial data」の訳でご紹介したデータが、具体的にどのようなものか不明です。
商用衛星の位置情報や運用状況諸元のことを指すのか、商用宇宙アセットのセンサーから入手した各種データも含むのか、太陽風や電離層の状況データなのか、宇宙デブリの情報なのか・・・。
いずれにしても、「JICSPOC」から改称した「NSDC」は、今後も様々な形で、軍事を語るうえで、宇宙ドメインを語るうえで登場するでしょうから、ちまちまフォローしたいと思います
それにしてもこのお二人、各地にペアーで登場されている模様です・・・
宇宙作戦センター関連
「JICSPOCからNSDCに改称」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-06
「米空軍が宇宙活動アピール作戦を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-24
「副長官がJICSPOCを高評価」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-28
「宇宙と第3の相殺戦略」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-01