SpaceXの大型ロケットが市場を変えるか?

Falcon Heavy2.jpg17日、SpaceX社が大型ロケット「Falcon Heavy rocket」の地上エンジン試験に成功し、これまでULA社の「Delta IV rocket」が独占していた大型軍事衛星打ち上げ市場に、殴り込みをかける準備が整いました。
2月に予定されている「Falcon Heavy rocket」の初打ち上げ試験では、ロケットにSpaceX社Elon Musk氏の「チェリーレッド色Tesla Roadster」 が搭載され、「火星に向かって飛行させエイリアンに遭遇させる」との遊び心でイベントの盛り上げが計画されているようです
ただ、同社「Falcon 9ロケット」を3本束ねた「Falcon Heavy rocket」は、計27個の推進エンジンで構成され、打ち上げの成否は予断を許さずない状況だそうです。でも応援したいのでご紹介します
26日付Defense-News記事によれば
Falcon Heavy3.jpg小型衛星打ち上げ用「Falcon 9ロケット」が、2015年5月に軍事衛星打ち上げ承認を米空軍から与えられ、第1段目ロケットの回収という画期的な技術を確立したSpaceX社が、大型衛星打ち上げ技術確立と軍事衛星打ち上げ承認に向け、「Falcon Heavy rocket」の初打ち上げに向け動いている
●「Falcon Heavy rocket」は、高さ約70mで5百万ポンドの推力を持っており、64トンの搭載物を低軌道に投入可能で、小型搭載物なら火星まで送り込むことができる
●現存する大型衛星打ち上げ可能なDelta IVロケットが、最大搭載28トンであることと比較すると、「Falcon Heavy rocket」の能力がわかるだろう
Elon Musk.jpg打ち上げ費用は公表されておらず、両ロケットの比較は容易ではないが、2017年8月の米会計検査院GAOレポートによればDelta IVロケットの打ち上げ費用は180~440億円で、他の資料でも米空軍が470億円で打ち上げていると記録されている。
●一方の「Falcon Heavy rocket」は、GAOレポートで100~300億円と見積もられており、成功すれば打ち上げ価格の低下が期待されてる
ただし2月の初打ち上げが成功するかはやってみなければわからず、SpaceX社CEOであるElon Musk氏も、打ち上げ後に爆発する可能性もあると語っている
●しかしElon Musk氏はいつもの前向きな姿勢で初打ち上げの準備を進めており、「チェリーレッド色Tesla Roadster」 を搭載して宇宙空間に送り込むと意気揚々と語っている
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Falcon Heavy.jpgSpaceX社の動きは本当に早いです。ついこの間まで、「Falcon 9ロケット」の第1段目回収試験の失敗を繰り返していると思っていたら、今や同技術を確立し、次々と安価に軍事衛星や商用衛星の打ち上げを成功させています
そしてついこの間まで「イメージ図」や「想像図」だった「Falcon Heavy rocket」が、現実のものとなり打ち上げまじかとは・・・。記事の数字からすると、ビジネスとしても魅力的なロケットの様ですし、ますます応援したくなりました
「SpaceX:失敗場面を集めた映像を明るく発信」
→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-18 
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