これも米空軍のパイロット流出対策か?

退役した士官の再雇用枠を40倍に拡大
パイロットの海外派遣や海外訓練削減のためか?
理由がパイロット確保なら、世も末・・・
wilson8.jpg23日、米空軍は、これまで25名しか受け入れてこなかった退役将校の再雇用枠を条件を大幅に緩和して1000名にまで拡大しすると発表しました。
従来は非パイロットポスト限定で、勤務期間も最大12か月に制限されていたようですが、パイロット職も非パイロット職も含め、年齢上限も緩和するようです。
米空軍協会web記事は、今回の再雇用枠拡大の理由や背景について触れておらず、米空軍の発表にも説明がないのだと思いますが、大いに邪推したくなります・・・
まず24日付米空軍協会web記事
USAF pilot.jpg●23日米空軍発表の新たな計画によれば、11日にWilson空軍長官が、条件を満たす退役士官で、パイロット、戦闘システム士官、航空作戦管理職士官にあったものを、今年年末までの期限で募集することを決定したとのこと
勤務期間も、従来の12か月以下から、最低24か月最高48か月の長期間を提示している
●条件は、50歳未満の退役士官の場合、退役してから5年以内で健康チェックに合格し、かつパイロットの場合は最近10年以内の範囲で操縦資格を保持していたこと、それ以外は最近15年以内の範囲で士官ポストについていたことが条件となっている
●退役士官の年齢が50歳以上の場合は、個々のケースごとに対応を検討することとなっている
Schriever Wargame4.jpg●米空軍人事センターのMike Dickerson氏はAir Force Magazineに対し、「問い合わせが既に来ているが、多くが雇用期間の長期化による生活の安定に関心を示している」と述べ、「より長期間再雇用できれば、飛行職でも非飛行職でもより有効活用可能だ。特に飛行職ではより多くの機種で活用になる」と表現した
●今回の再雇用枠拡大以前の期間では、2017年以降で、10名が再雇用を許され、実際に正規士官ポストに配置されたものが5名である
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以下はまんぐーすの推測です
・米空軍はパイロットの流出が止まらず、全ポストの2割に達する欠員を埋めるために退役パイロットの再雇用枠拡大に踏み切った。
・パイロット以外の戦闘システム士官や航空作戦管理職士官経験者の枠を拡大したのは、デスクワークに就いているパイロットの代替として配置し、パイロットを前線部隊に優先配備するため
Checkered Flag3.jpg・しかし、現役時代、パイロットの上から目線の下でこき使われてきた戦闘システム士官や航空作戦管理職士官経験者は、パイロットの穴埋めポストで陰湿で冷淡な扱いを受けることが自明であるため、再雇用に応募したいとは思わない
戦闘機の役割や重要性に対する草の根レベルの大きな疑問符を無視し、パイロット(特に戦闘機操縦者)の引き留めにばかり精力を注いでいる米空軍は、ますます不健全になり、ますます事故が増加する
残念ながら・・・
米空軍のパイロット流出対応
「下士官パイロットの役割拡大は」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-19-3
「F-35操縦者養成部隊の苦悩」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-12-3
「下士官パイロット任務拡大?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-22
「仮想敵機部隊も民間委託へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-09-1
「さらに深刻化」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-11-10
「世も末:幕僚勤務無し管理検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-20
「トップが操縦者不足と軽攻撃機を語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-17
「18年ぶり飛行手当増額」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-28
「戦闘機パイロット2割不足」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-22

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