需要急増で生産能力2倍に、そして更に・・・
生産効率アップで単価低下につながるか?
11日付Defense-Newsが、各種ミサイル脅威の拡散を受け、導入国が急速に増加しつつあるロッキードマーチン製のPAC-3ミサイルシステムについて、導入国増加だけではなく、弾薬備蓄を積み増す国も増えたことから、最新の「PAC-3 MSE」の生産能力を2倍にしつつあり、近い将来更に能力拡大を図る方向だと報じています
数あるPAC-3システム導入国の中で、初代PAC-3ミサイルを購入を続けているのは1か国のみ(国名不明)で、日本も含め他の全てのPAC-3導入国は「MSE」に移行しているとのことで、増産投資が容易な状況にあるようです
PAC-3 MSEはPAC-3に比し
●弾道ミサイル、巡航ミサイル、航空機などの脅威に対処する能力を高めている
●弾体の直径を太くし推力を増やし、射程距離がPAC-3に比べ50%増の約30 km+に。
●また、弾体中ほどにある翼の幅を小さく、後部のフィン(操舵翼)を大型にして機動性を高め、同時に折畳み式にしてPAC-3キャニスター(発射筒)に収める。
●ミサイル直径が太いので、キャニスターにはPAC-3は4発だったが、MSEは3発のみ格納
11日付Defense-News記事によれば
●ロッキードは、米陸軍や同盟国等からのPAC-3 MSEの需要急増に答えるため、数年で生産能力を2倍以上に拡張する計画である
●米陸軍は使用が続くミサイルの穴埋め補給だけでなく、ミサイル備蓄量増加計画を打ち出しており、これによりミサイル発注が急増する
●米軍は2018年から2022年の中期計画では、毎年95発の購入予定だったが、最近になって2018年と2019年に各240発を購入し、2020年以降も160発を毎年購入する方向に変更した
●海外顧客も急増しており、今年だけでも3か国(ポーランド、ルーマニア、スウェーデン)がパトリオットシステムの導入を決定し、初期導入ミサイルが受注を押し上げている
●この3か国用だけでも、ロッキードは576発のPAC-3MSEを製造することになる。内訳は、ポーランド208発、ルーマニア168発、スウェーデン200発である
●ロッキードのIAMD営業部長は、「PAC-3 MSEへの関心が非常に高まり、生産能力2倍増に向け取り組んでおり、それは年間500発の生産能力を意味する」取り組んで現状を語りつつも、
●更に「一方で更なる需要増の気配があり、対応が難しくなる可能性がある。そこで米国政府と共に、どのあたりまで製造能力増強を進めるか検討している」と語った
●また同部長は、今年中に更に少なうとももう1国がパトリオットシステム導入を判断することになると述べ、これにより更なるPAC-3 MSE増産が発生する可能性がある
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日本はPAC-3 MSE導入国として、他の購入国と連携し、増産効果による単価低減をロッキードに強く要求すべきです
絶対に・・・
CSISにより米軍IAMDへの提言レポート
→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-27-2
米海軍NIFC-CAと関連装備
「日本もNIFC-CAに参加?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-11
「Baseline 9 :イージス艦の進歩」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-05-09
「米海軍のNIFC-CAとは」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-01-26
「kill chainからkill webへ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-15
「SM-6でBMD対処に成功」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-05
「NIFC-CAとSM-6連携」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-27
「NIFC-CAで空軍と協力」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-05-23