米3軍の長官が士官学校でのセクハラ問題議論

対策が尽きたので一般大学の知恵を
3軍で協力して士官学校のセクハラ対処へ
Sexual Assault summit.jpg4-5日にかけ、陸海空軍長官が米海軍士官学校に集結して「士官学校におけるセクハラ・性暴力」サミットを開催しセクハラや性暴力問題が近年悪化していると米国防省から指摘を受けたことを受け、専門家や一般大学関係者から話を聞き、互いに意見交換してネットワークを構築し、3長官が今後の協力していくことを誓いました
一般大学の話が士官学校の参考になるのか「?」なところですが、よりによって米軍のリーダーを育てる士官学校での問題であり、3軍長官の危機感が感じられます
この3軍長官サミットは、国防省が2月に公表した3軍士官学校におけるセクハラと性暴力に関する調査報告書が厳しい内容であったことから開催されたものですが、同報告書の中には例えば・・・
USAFA2.jpg空軍士官学校の女性候補生の46%が前年度間にセクハラを経験しているが、学校当局に報告されたのは1件のみである。陸海士官学校でも同様に報告される比率が極めて低い
空軍士官学校の女性候補生の15.1%が性的行為(お触りからレイプまでを含む)の被害を受け、前年度の11.2%から上昇している。そしてわずか13%の事例しか報告されていない。陸軍士官学校でも16.5%が被害を受けている
前年より悪化傾向を示す統計数値として、3軍士官候補生の間で男女を問わず、互いに「その行為は1線を越えている。セクハラ等に該当する」と明確に告げる意志レベルが低下している
USAFA.jpg●また、ハラスメントを受けた場合に、学校当局に報告して助けを求めようとの意志レベルも前年より低下している
●更に、女性士官候補生の中で、学校当局関係者が(セクハラや性的行為に関し)模範となるような行動や言動をしていると感じている者の比率が、前年より低下している
●また、学校当局が真摯(honest and reasonable)にセクハラ等に取り組んでいると感じている女性士官候補生の比率が前年より低下している
・・・などとの内容が含まれていました
8日付米空軍協会web記事によれば
wilson7.jpg●2日間のサミット後、Wilson空軍長官は声明を出し、「私たちは、セクハラや性的襲撃事案を減らすために、サミットで学んだことを共有し、全米の一般大学と協力していく責務を負っている」、「機関のリーダーとして、問題の存在を把握しているが、(3軍内に)対策案がない状態であることを率直に認める事でもある」
●更に「我々が協力することにより、性的襲撃事案が削減できる可能性がより高まるだろう」と述べている
Mark Esper陸軍長官は、「セクハラや襲撃は間違いなく困難な問題である。しかし協力して立ち向かうことで根本原因の理解を深め、このような犯罪を組織から根絶する革新的な対策の意見交換を行いたい」とコメントしている
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多様性が組織を強くするのは真実でしょうし、現代の紛争の様相や軍の活躍の場を考えると、女性の存在の必要性・重要性は否定できません
ただ、これを言うとお叱りを受けそうですが・・・、軍の現場では、課題も表面化し、また組織の「疲れ」も感じます
もちろん米国社会全体の劣化も強烈に感じますが・・・
軍での女性を考える記事
「現役パイロット時に上官にレイプされた」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-08
「自衛隊は女性登用に耐えられるか」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-10
「女性特殊部隊兵士の重要性」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-28
「Red Flag演習に女性指揮官」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-19
「米国防省:全職種を女性に開放発表」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-05
「ある女性特殊部隊員の死」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-10-27
「珍獣栗田2佐の思い」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-05-17
「2012年の記事:栗田2佐」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-06-11
「性犯罪対処室が捜査対象」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-04
「性犯罪は依然高水準」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-06-1

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