南シナ海で米海軍監視下、比が中国海警包囲を突破

比沿岸警備艦に招待されたプレスが状況を世界に発信
海警艦艇の包囲網を突破し、環礁の比拠点人員&物資輸送

BRP Cabra2.jpg8月22日、中国と沿岸国との領有権争いが続く南シナ海で、フィリピン側が海洋監視拠点(座礁した貨物船利用)に補給物資を補給船で届けようとしたところ、「中国海警(位置付け沿岸警備隊)」艦艇や偽装漁船に進路妨害や危険な接近を約5時間にわたり繰り返されましたが、

米海軍がISR機を3時間にわたり上空に派遣する等の措置もあり、中国艦船等の妨害を突破したフィリピンの木造補給船2隻による補給物資の比監視拠点への輸送作戦は成功し、これらの様子が比沿岸警備艇に招待され乗船していたAP通信をはじめとする西側メディアによって世界に配信されています(日本のメディアは全く報じませんが・・・

Second Thomas Shoal.jpgフィリピンの木造小型補給船2隻はフィリピン沿岸警備隊の2隻の警備艦(BRP CabraとSindangan)に護衛され、西側メディアはBRP Cabraに招待され乗船していましたが、8月21日夜から中国海警の艦艇4隻と偽装漁船4隻に追跡されはじめ、

フィリピン側が補給輸送の目的地としていた「Second Thomas Shoal」に設置した海洋監視拠点(座礁した貨物船利用)の手前約7㎞付近から、中国側艦艇による妨害行為が本格化したと、8月23日付Military.com記事は伝えています

BRP Cabra3.jpg中国海警の艦艇は、フィリピン側沿岸警備艇の前方わずか46mを横切ったり、進路前方を塞ぐなどの行動を約5時間にわたって続け、この間拡声器で中国側が「双方による誤解や誤認識を避けるため、この場を離れ立ち去れ! さもないとこの事態から生じる全ての結果の責任をそちら側が負うことになる」、「もしこのような侵害と挑発を続けるならば、我々は対抗措置を取る」等と威嚇を続けた模様です

そんな状況下でしたが、フィリピン側の木造補給船(全長10m程度以下の船)2隻は、巧みに中国の妨害を振り切り、「Second Thomas Shoal」の浅瀬に入り込んで中国側の追随を許さず、無事に海洋監視拠点(座礁した貨物船利用)への交代要員や補給物資の輸送に成功したということです

Second Thomas Shoal3.jpg8月5日には、中国側が比の補給船に放水銃を使用する事象が発生し、米国が「比との同盟に基づき、比軍や航空機や艦艇が攻撃を受けるようなことがあれば、防衛義務を遂行する」との声明を出して中国側に警鐘を発していたところでした
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今年に入って米比関係は、ホワイトハウスKirby戦略報道官が5月1日に「驚愕の進歩を見せている」と公式会見で表現したほどの進展を見せており、米海軍がISR機を上記のような事態に急遽派遣するほどの緊密な関係を構築するに至っています

Second Thomas Shoal2.jpgフィリピン側も、このような中国側との対立場面を予期して、西側メディアを事前招待して沿岸警備艦に乗船させておくほどの「周到さ」と「中国への強硬な堂々とした対応姿勢」を対外的にアピールする姿勢を明確にしており、「中国国力の衰弱」に付け込む様子に逞しさを感じます。

日本政府も是非このようなフィリピンの姿勢に学んでいただきたいですし、日本の「マスゴミ」の皆様には、中国を「早々に見限る」ことをお勧めしておきます

米フィリピン関連の記事
「首脳会談と33年ぶり空軍演習」→https://holylandtokyo.com/2023/05/08/4597/
「米比2+2とBalikatan演習」→https://holylandtokyo.com/2023/04/20/4524/
「5世代機初展開F-22」→https://holylandtokyo.com/2023/03/24/4442/
「第3MLRの編成」→https://holylandtokyo.com/2022/11/14/3900/

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