新兵教育部隊入隊時に迅速帰化手続き開始し、
教育終了時に米国籍宣誓式典との特別制度導入
米陸軍は半年で2900名、ジャマイカ、メキシコ、ハイチ等から
6月11日付Military.comは、新兵募集の目標達成が難しい状況にある陸空軍(海兵隊のみが目標達成見込み)が、合法的な移民が米軍に入隊することで、米国籍取得(帰化:naturalization)手続きを特別優遇で迅速化する特典を昨年末から開始したところ、中南米、アフリカ、アジア等出身者から「米国への愛国心を持つ」多数の入隊希望者が応募し、新兵確保に貢献していると報じています
例えば、2022年10月から同特典を開始した米陸軍は、制度開始前の半年で2200名だった採用数が、制度後の半年で2900名入隊に増加し、384名のジャマイカを筆頭に、メキシコ、ハイチ、Nepal, Nigeria, Ghana, Cameroon, Colombia Dominica等々からの入隊者を得ているとのことです
米空軍も2023年から同制度を導入し、最初の14名(Cameroon, Jamaica, Kenya, the Philippines, Russia、South Africa)が7週間の新兵教育訓練を終え、4月に帰化して米国籍を取得したということです
この制度を実現するため、陸空軍は緊密に米政府機関「U.S. Citizenship and Immigration Services」と連携を図り、セキュリティークリアランス調査の迅速化を可能にしましたが、多くの場合、本制度利用の新兵が「top secret」クリアランスが必要な職種に最初から配属されることは無く、最初の14名は医療や輸送関連職などに配置されたということです
それでも米空軍では今年5月中旬までに、同制度利用の合法移民100名が新兵教育訓練開始と同時に「帰化手続き」を開始し、既に40名が帰化完了しているとのことです
担当する米空軍募集事務局のEd Thomas少将は、英語能力やセキュリティークリアランス調査の壁はあるが、合法移民の中には「米国の役に立つ米国民になりたい」との純粋な愛国心を持つものが確実に相当程度存在し、米軍の募集難を解決するほどの数ではないが、貴重な人材であることに変わりはないとし、
志のある合法移民の若者に同制度を知らせるため、多様なSNSで多様な言語の動画メッセージを発信したり、入隊済の多様な元国籍兵士をリクルーターとして活用する手法にも力を入れていると語っています
また同少将は、同制度で帰化した新人兵士が、その感激を語る場面に何度も立ち会ったことがあると振り返り、「米国のために尽くしたい」「努力して米軍で必要とされる人間になる」と純粋に目を輝かせる姿を、米空軍内のいろんな場所で語って、同制度をアピールしていると熱く語っています
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この制度で入隊した新兵を受け取った現場部隊の声を聞いてみたいところですが、米国民の米軍募集対象年齢人口の中で、犯罪歴や肥満や薬物使用や入れ墨等々の理由から、わずか2割の米国民しか米国の採用基準をクリアーできない厳しい現実を考えれば、合法移民グループは「宝の山」なのかもしれません
しかし、元国籍は多様ですねぇ・・・・。
新兵募集難&離職者増への対応
「兵士慰留に職種変更容易化へ」→https://holylandtokyo.com/2023/05/12/4608/
「米空軍が体脂肪基準緩和へ」→https://holylandtokyo.com/2023/04/07/4494/
「歩きスマホやポケットハンドOK」→https://holylandtokyo.com/2021/12/16/2519/