統合国家演習に格上げされ、12月に豪加英が参加
今年2月に「7か国宇宙作戦ビジョン2031」を発表した仲間から
「Black」「Red」「Blue」Skies演習も目的を絞って実施へ
11月14日付米空軍協会web記事が、米宇宙軍が主催して12月予定の演習「Space Flag 23-1」に、今年2月に「7か国宇宙作戦ビジョン2031」を米国と共に作成発表した仏、独、英、加、豪、NZの中から、豪加英3か国軍が参加することになったと紹介しています
「Space Flag」演習は、宇宙軍が編成される前から米空軍宇宙コマンドによって2017年から実施されてきた戦術レベルの技量向上を目指す演習ですが、2022年から他軍種を参加させることを条件に「Joint National Training Capability」レベルの演習に格上げされた演習で、担当の宇宙訓練&即応態勢コマンド(STARCOM)が、サイバーと情報関係者がより多く参加するよう準備しているとアピールしている演習です
「Space Flag」のほか米宇宙軍訓練コマンド(STARCOM)は、「Black Skies」、「Red Skies」、「Blue Skies」との色の名前を冠した訓練分野を絞り込んだSkies演習を開始しており、「Black Skies」演習は実兵器の発射を伴う電子戦演習、「Red Skies」演習は衛星軌道上での戦い、「Blue Skies」演習はサイバー戦と宇宙を扱った訓練に取り組んでいます
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2010年代には、米宇宙軍の前身の米空軍宇宙コマンドが主催する「Schriever Wargame」との演習をよくご紹介しましたが、国防省以外の米国政府機関や同盟国からも広い分野から参加を受け入れ、宇宙が軍事以外にも社会経済活動とどのようにかかわっているかを「実感」してもらうことが主眼のような演習だったとの印象を持っています。
「Schriever」演習など地道な活動の成果もあり、2021年7月には米宇宙軍No2が同盟国等の姿勢の急変に言及し・・・
・最近数年間で同盟国の宇宙ドメインへの関心が急速に高まったことにより、以前は米国活動への協力に消極的だった同盟国も含め、米宇宙軍活動への協力や資金協力申し出が急増している
・過去数年間の変化はドラマチックで、背景には潜在的敵対国による宇宙活動活発化への危機感があり、効果的な協力が得られなかった国々からも、協力できる分野は無いか? 我々は何をすべきだろうか? などの問い合わせをいただいている・・・・と語っていたところです
対中国最前線の日本も、早く「Space Flag」演習演習に参加できるようになりたいですね。・・・このように言うと、「大っぴらにはできないが、実は・・・」とのコメントを頂戴することもありますが・・・
米宇宙軍と同盟国との連携強化
「7か国で宇宙作戦ビジョン2031」→https://holylandtokyo.com/2022/02/25/2753/
「米宇宙軍に同盟国からの申し出急増中」→https://holylandtokyo.com/2021/08/04/2064/
Schriever Wargame関連記事
「2019年は」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-09-18
「日本初参加の2018年の同演習」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-11-25
「米国が日本を誘う・・・」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-09-3
「日本は不参加:米軍宇宙サイバー演習」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-10-14-1
「欧州を主戦場に大規模演習」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-11
「Schriever Wargame」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-04-19
「サイバーと宇宙演習の教訓1」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-01
「サイバーと宇宙演習の教訓2」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-02