トランプ大統領アフガンとイラク派遣兵力削減指示へ

11月17日、Miller臨時国防長官が正式に発表しました!
→https://www.military.com/daily-news/2020/11/17/trump-makes-it-official-troop-reductions-iraq-afghanistan.html
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大統領交代直前の1月15日期限で
対テロ専門家の臨時国防長官指名はこのため!?
イラン攻撃が話題な中ですが・・・
Trump8.jpg16日付Military.comが、トランプ政権が来年1月15日までにアフガニスタンとイラク駐留米軍兵力数を、それぞれ現在のアフガン約5000名を2500名に、イラク約3000名を2500名に削減する大統領指示を準備しているとの政府高官の発言を紹介しています
トランプ大統領はこれまで、2020年末までにアフガンとイラクから全ての米軍兵士を撤退させると主張してきましたが、さすがに国防省など各所からの反対意見が強く、上記レベルの削減に落ち着く模様だと報じられています
Miller.jpg更迭されたエスパー前長官の後任に指名された「対テロ専門家」のChristopher Miller臨時国防長官も、職務開始直後の13日に国防省全職員宛てメモで、中東での米軍の戦いの終了を考えることの重要性を強調しており、来年1月20日のバイデン政権スタートまでの期間で、臨時国防長官が重点として取り組む方向が明らかになってきたような気がします
現場を担当する米軍司令官は兵力削減に反対で、早急な米軍削減発表が現地勢力との交渉を不利にするとの懸念の声も聞こえる中、先の週末には関連米軍指導者たちにトランプ政権の方針が伝えられた模様です
米軍削減指示の具体的内容については細部を検討中とのことですが、米国はクリスマス休暇返上で、様々な動きがありそうな雰囲気です
16日付Military.com記事によれば
この兵力削減が期限までに実行されれば、バイデン政権誕生の5日前に完了することになる。ただこの発表にあまり驚きはなく、エスパー前長官の更迭や後任者人事からこの動きを予想していた関係者も少なくない
バイデン氏は選挙期間中、兵力撤退について具体的なことは述べず、対テロに焦点を当てた幾らかの兵力のみを残すべきと述べており、「米国は長引く戦いを憂いており、戦いを状況に応じ終わらせねばならない。その際、米本土が二度と攻撃を受けないよう確実にすることが必要」とぼんやり表現している
Miller4.jpg一方Miller臨時国防長官は、職務開始直後の13日に国防省全職員宛てメモで、「我々は過去の戦略的過ちを繰り返さないよう、終わりを見据えて戦わねばならない。全ての戦いは終わらせねばならない」、「戦いは長く犠牲は膨大で、私を含め皆が懸念している。終結には妥協と協力が不可欠である。我々はこの課題に全力で対応してきたが、今や国に帰る時だ」と述べている
トランプ政権の姿勢は安定せず、10月7日に大統領が「少数の精鋭部隊を残し、クリスマスまでに派遣兵士を帰還させる」とツイートしたが、O’Brien大統領補佐官はこのツイートに関する記者団の質問に対し「大統領は希望を述べたに過ぎない」と説明したが、併せて「アフガン派遣兵士を2500名まで削減する方向だ」と述べが、その時点で米軍や国防省は何も話を聞かされておらず、現場が大いに混乱した経緯がある
McKenzie.jpgFrank McKenzie中央軍司令官などは、早急な兵力削減発表や実施は、タリバンと現アフガン政権や関係勢力代表たちとの話し合いに水を差すことや、イスラム国勢力掃討に影響すると難色を示してきたところである。また兵力削減は、共に行動してきた同盟国等と慎重に協議する必要があると訴えてきたところである
米軍幹部はまた、アフガン現地には米国に持ち帰るべき大量の重要で非公開の装備が持ち込まれており、その撤収には相当の時間が必要と主張してきた
McKenzie司令官などは兵力削減加速に反対姿勢であったが、政府高官によれば、対テロ作戦継続に必要な戦力を残し、緊要な装備品の引き上げには余裕を与える前提で、兵力削減を受け入れたと言われている
タリバン側はアフガン軍への激しい攻撃を毎日のように行っており、タリバンとアフガン政府との協議は、カタールで1か月間以上断続的に行われているが、ほとんど進捗がない状況と伝えられている
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McKenzie2.jpgアフガニスタンやイラクの情勢をほとんどフォローしておりませんが、Miller臨時国防長官は約2か月の任期で、この問題に重点的に取り組むということです。対イランとの噂もありますが・・
現場の兵士が危険にさらされることがないよう、また中東の一般市民に犠牲者が出ないことを祈るばかりです
対テロ一筋の臨時国防長官をご紹介
「臨時国防長官Christopher Miller氏はどんな人」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-11-10
バイデン政権の予想
「バイデン政権で国防政策はどう変わるのか」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-11-09
バイデン政権の国防長官最有力候補
初の女性長官誕生か:フロノイ女史の思考
「必要な国防政策を語る」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-08-12
「米議会で中国抑止を議論」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-17
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