初の黒人移民女性同性愛者報道官Jean-Pierre女史を支援
米海軍+国務省+国防省(2回)の報道官経験者
5月20日バイデン大統領は、国防省のJohn Kirby報道官がホワイトハウスの国家安全保障会議(NSC)の戦略広報調整官に就くと発表しました。バイデン政権の安全保障政策に関する情報発信を強化する狙いがあると見られています。
ホワイトハウスの報道官ポストは、バイデン氏が大統領就任時から務めていたJen Psaki女史が5月13日に退任し、後任には「黒人」「同性愛者」「移民女性」の3側面で初の大統領府報道官だと16日の就任時に自己紹介したKarine Jean-Pierre女史(前副報道官)が就任しています
しかし、激務の大統領府報道官職の後任選定過程では、常にJohn Kirby氏が有力候補としてホワイトハウス内で検討&議論されてきたと報じられています
いかにもバイデン政権らしいJean-Pierre新報道官の指名でしたが、安全保障政策や軍事問題に関しては経験不足との懸念もあり、米海軍士官経験があり、報道官職(spokesman)を米海軍(2021年から)→国防省(2013年12月から)→国務省(2015年5月~2017年1月)→国防省(2021年1月~)と歴任して百戦錬磨のJohn Kirby氏が、新設の戦略広報調整官ポストに迎えられた模様です
「百戦錬磨」とご紹介したJohn Kirby氏ですが、特にバイデン政権下では、大混乱の中で行われた米軍のアフガニスタン撤収や、現在も続くロシアによるウクライナ侵攻についての厳しい記者団からの質問にも、的確に粘りずよく対応&情報発信を続け、国防省からバイデン政権の姿勢を落ち着いて広報したとして一段と評価を高め、今回の起用に至ったと20日付で各社が報じています
ホワイトハウスへ移籍後は、通常の記者会見はKarine Jean-Pierre新報道官が担うものの、時にはJohn Kirby氏も会見を担当するとのことです。
////////////////////////////////////////////
最近のウクライナ情勢に関する国防省会見で、Kirby氏が「ウクライナから伝えられる現場映像は、その悲惨な状況から見るに堪えない」と述べて言葉に詰まる場面が広く報じられましたが、どこからも批判的な声は上がらず、逆に普段から丁寧に誠実に報道機関対応に臨んできたJohn Kirby氏の人柄を評価するコメントが多くみられました
米海軍+国務省+国防省(2回)の報道官経験者は極めて異例で、途中で民間報道機関や広報コンサル会社への転身の誘いも多数あったと思いますが、ストレスフルで一般には平均勤務期間が短い「公務」報道官に長期間従事する姿勢にも頭が下がります。
バイデン政権の姿勢には、個人的に「?」な部分も多いのですが、推定59歳、フロリダ出身で元海軍少将であるJohn Kirby氏の益々のご活躍を祈念申し上げます
追伸・・・Psaki前大統領府報道官とKirby氏は、国務省報道官の前任と後任(Kirby氏)だったようです。激務でかつ世間に顔が知られるポストとなると、成り手が限定されるのかもです
Kirby国防省報道官関連
「アフガン人が写る国防省映像公開停止」→https://holylandtokyo.com/2021/11/03/2400/
「苦悩深くアフガン避難民の米国受け入れ」→https://holylandtokyo.com/2021/10/28/2375/
米国防省報道官(海軍少将時代)関連
「マケイン議員が報道官に激怒」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-10-24
「国防省がHumint強化へ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-04-27