民主党の重鎮であるAdam Smith下院議員が高評価
要求性能を変更しない姿勢で時間と予算が計画通り
3日、米空軍協会ミッチェル研究所主催のwebイベントで、B-21次期爆撃機を運用するGlobal Strike CommandのTimothy Ray司令官が、「modular approach」「漸進的な技術的変更」「根本の要求性能に変更なし」の基本姿勢で進行中のB-21開発は、スケジュール面でも開発コスト面でも極めて順調で、下院軍事委員長からも称賛されていると自信たっぷりに語りました。
B-21開発を末尾の過去記事でご紹介していますが・・・
●2020年代半ばに運用開始、強固な防空網を突破可能な性能(ステルス等)、80-100機製造で1機約600億円($550million)以下
●無人機もあり得る(正式にはoptionaly manned)、既存成熟技術を活用し開発リスク局限の要求で、2015年から開発開始
●2018年12月に「重要設計審査:critical design review」終了、ただし、引き続き細部性能や状況は非公開
●2019年7月には米空軍副参謀総長が、初飛行は「863日後だ」(2021年12月3日)とアピールし、2019年秋に格納庫らしき場所で撮影された写真1枚が公開
●2020年8月に担当幹部が、コロナの影響はあるが、「全ての困難で重要な設計段階や、難しい製造問題は全て解決済み。現在は機体の製造や、飛行試験に進むことに集中」と説明
●コロナの影響に関し同幹部は、例えば機体を担当する「Spirit AeroSystems社」はボーイングのB-737MAX製造中止で会社が危機直面も、旅客機部門の人材をB-21に配置転換して危機に対処等と説明
●2021年1月に関係幹部が、初飛行「2021年12月」はベストなシナリオで、2022年半ばと想定するのが「穏当な見通し:good bet」。初飛行を目指す初号機はまだ最終組み立て段階にはなく、「爆撃機らしい形になってきた」段階と説明
●2018年にコストに関し米議会調査局は、空軍見積もりとして100機で8兆8千億円だとレポート(単純だと1機880億円)
4日付米空軍協会web記事によれば同司令官は
●「open mission systems」と「modularity of design」により、要求を安定した状態に保つことができている。統合の要求性能見直し評議会の開催をお願いし、無線機や兵器やセンサーや防御システム要求性能の見直しをお願いする必要もない
●これらは全て爆撃機に必要な一部として設定されており、これがために「開発を迅速に計画通り進めることができた」と語り、「要求性能を変更することはなかった」と過去の開発案件との違いを強調した
●(6年前に固めた要求性能を維持したままで、急速な技術進歩をとげる敵に対応できるのかとの質問に対し、)B-21は必要な新技術を取り込んでおり、継続して空軍迅速能力開発導入室(Rapid Capabilities Office)やNorthrop Grummanにより管理されている
●このような手法は次期ICBMであるGBSDにも採用されているが、この取り組みがAdam Smith下院軍事委員長から「スケジュール通りで予算範囲内で進んでおり、知的な道を歩んでいる」との高評価を頂いた理由であろう
●B-21は、よほど大きな必要性が生じない限り、「block upgrades」は実施せず、漸進的なアップグレードを行い、それらは前線部隊で実施されるであろう。補給整備基地に持ち込んで長期間非稼働で大規模改修を行う形式ではない
●Roth臨時空軍長官からは「なぜ遅れが生じないのか」と問われたが、「要求性能の変更を拒否しているからだ」と答え、「必要なことに焦点を当て、ゴールすることに注力している」と補足したと振り返り、下院軍事委員長にも同じような説明をして高評価を頂いた
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KC-46A空中給油機も開発途中までは超順調だったのですが、終盤になってトラブル続発で4年以上(?)遅れていますが、そうならないことを祈ります
情報管理も、これまでのところ大したものです。それから・・要求機数は当初100機程度だったのが、146機とか178機とかの数字が空軍幹部から飛び出すようになっています
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