KC-46空中給油機に更に2件の最高度不具合発覚

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年初に「category 1」不具合2件減少も、再び計6件に
ボーイング開発費は当初5000億円から1兆円越えへ
2018年完全運用開始予定が2023~24年にずれ込み中

KC-46 Flight Manage3.jpg17日付各種軍事メディアは、米空軍によるKC-46A空中給油機に追加で2件の重要度最大を示す「category 1」不具合が見つかったとの発表を報じています。年初に2件の同レベル不具合解消を発表し、「category 1」不具合を4件まで減らしていた米空軍ですが、これで再び6件の重大不具合を抱えることとなりました

2件の新不具合は、余分な水を機外に出す「refueling receptacle drain line」に低温時に亀裂が生じる件と、「Flight Management System」の不具合で航法計算に不具合が生じる件の2件です。いずれの不具合もKC-46の飛行停止や運用制限にはつながらないと米空軍は発表しているようですが、直ぐに解消可能なものでもないようです

KC-46 Flight2.jpgKC-46空中給油機は、当初18機までの開発&製造を約5500億円の固定経費契約でボーイングが担当していますが、ボーイングは頻発する不具合対応に追われ既に1兆円以上を開発&製造&不具合対処に支出しており、5500億円を超える部分は全て「ボーイングの自腹」となっています。「身から出た錆」とは言え、コロナで航空業界大不況の中、経営上非常に厳しい状態に置かれています

当初計画では2017年に初号機が納入され、2018年には部隊運用開始予定でしたが、初号機納入は2018年にずれ込み、その後の不具合や機内への異物放置などで、179機導入計画中の46機が納入済の現時点でも運用開始できていません。しかし現有給油機の老朽化による給油機不足でこれ以上は待てず、不具合がある状態のまま用途限定で今年夏から使用開始することになっています

計画当初やドロ沼機種選定の後は、固定価格契約の優等生だと空軍はアピールしていたのですが、給油捜査員が相手機を確認しながら給油装置を操作するRVS(Remote Vision System)の「category 1」不具合などは、設計やり直しで機体に導入されるのが2023~24年になると言われており、完全戦力化に8年もの遅れが生じる問題装備となっています

17日付Defense-News等によれば
KC-46 RVS2.jpg米空軍報道官は、2件の不具合は5月に新たに「category 1」認定されたが、KC-46に飛行制限等は新たに課せられず、安全上の影響もないとしている
そして「米空軍のKC-46室とボーイング社は影響を局限するための対応手順を周知し、搭乗員や航空機に追加リスクが生じないよう対応している」と述べ、「ボーイングは両方の問題に自腹で対応している」とも説明した

KC-46 Flight Manage2.jpg「aerial refueling receptacle tube」に低温状態で排水が凍って膨張して配管に亀裂が入る件については、過去に3件事象が確認されており、特別な追加点検手順が示されている。しかし恒久的な解決には排水ラインの再設計が必要である
「Flight Management System」の不具合は、3月3日のハワイへ向かう飛行中に航法システム異常として初確認され、当該機のクルーは他の航法機材を頼りにホノルルに問題なく着陸している
担当のGeneral Electric社は、同不具合発生時のシステム再立ち上げなど当面の対処法を指示したが、根本解決には時間のかかるソフト改修が必要となる

KC-46A3.jpg上記2件以外のKC-46「category 1」不具合4件は、RVS(Remote Vision System)の見辛さ関連2件と、給油ブームが固着して給油が困難になる件、更に燃料系統での燃料漏れ問題である
特にRVSやブーム問題は根本的な装置の再設計を必要とするもので、Roth臨時空軍長官は16日の下院軍事委員会で「2023~24年ころまでに解決することを希望している」と説明している
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日本の航空自衛隊も米空軍以外で唯一KC-46を購入することが決まっており、この多発する不具合の影響を受けているはずですが何も聞こえてきません。「ボーイングの自腹持ち出し」部分を一部巧妙に押し付けられているのではないかと心配になりますが、そのようなことがないことを祈っております

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