老朽FA-18を早期退役させ、中古F-16を活用へ
過去にも計40機F-16を導入し、今も使用中とか
5月28日付Military.comは、同日発表された2022年度国防省予算案の中で、米海軍が米空軍の中古F-16導入予算を要望していると紹介しています。米空軍は州空軍所属F-16を海軍に提供する方向だそうです
具体的なF-16導入機数にまで予算案には言及がないようですが、「老朽化したFA-18(Super Hornetではない初期型)の長期的な維持コストを考慮し、同時に仮設敵機部隊の能力維持確保を目的としたもの」と説明されているようで、初期型FA-18を約55機退役させ、その穴埋めをF-16に期待しているようです
まんぐーすは全く知らかなったのですが、米海軍は過去2回に渡り米空軍F-16を計40機導入し、今でも一部を「トップガン」教育機関で仮設敵機として使用しているとのことです
— 1回目は空軍F-16を少々改良してF-16Nとし、26機導入(4機は2人乗り型)し、1988年から98年の間に使用
— 2回目は2000年代初めに14機(もともとパキスタン空軍行予定だった機体)導入。ネバダ州のFallon海軍航空基地で、「トップガン」養成用の仮設敵機として使用
この記事のニュースとしては以上ですが、ついでに米海軍と空軍の関連動向を改めてご紹介
米海軍は
●空母艦載機部隊を、FA-18E/FとF-35C型、それに加えて次世代F/A-XXの3本柱で構想しているが、F/A-XXについては構想が煮詰まらず、米議会から検討予算を大幅削減されている状況
●F/A-XXは有人機でも無人機でもありえ、また有人機と無人ウイングマンの組み合わせでもあり得るとの検討状況の模様も、米海軍計画部長は「将来空母艦載機は、その2/3が無人機になる可能性もある」と発言するなど、よくわからない状態
米空軍は
●現在約930機保有のF-16を、2026年までに124機削減する計画だが、残る800機以上の機体については減勢しつつも2030年代までの使用を想定している模様
●現在実施中の「TacAir Study」の分析次第であるが、能力向上等を行いながら約600機を2030年代まで使用し、新規開発の4世代機+アルファの「Multirole Fighter-X(MR-X)」に引き継ぐ案も有力
●F-16をさらにアップグレードして、NGAD、F-35、F-15EXと共に、米空軍の戦闘機4本柱として活用する案も存在
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今も米海軍の「トップガン」スクールでF-16が使用されているようですので、もしかしたら劇場公開が延び延びになっている映画「トップガン」の続編「Top Gun: Maverick」に登場するかもしれませんね。いや、海軍の人気向上のため(空軍に新兵募集で負けないため)、空軍のイメージは排除かもしれません・・
国防省の2022年度予算案では、老朽装備や伝統的な装備品を早期に退役させ、維持費を浮かせ、次世代の本格紛争に備えた新装備や新システム導入予算に進みたい米軍の希望が多数盛り込まれているようです
その中の一つとして、ご紹介しました
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