滑稽ここに極まる:米空軍がB-21に誰を搭乗させるか決定

かつて米軍No2が「B-21が有人機である必要性を教えてくれ!」と訴えたが
2名の搭乗員の1名を、WSOやCSOに操縦を教えて搭乗させると公式決定
B-1とB-2の退役延期でB-21パイロット確保が困難になったから???
WSO(兵装システム士官)とCSO(戦闘システム士官)のポスト確保目的???
15年前の米軍No2の疑問「核任務に有人機が必要なら、ICBMに有人型があるのか?」が今再び!

7月9日付米空軍協会web記事は、米空軍が開発中で飛行試験が順調に継続中の次期爆撃機B-21の操縦席の2つの座席に、1名はB-1やB-2等の爆撃機から機種転換するパイロットを配置し、もう一つの操縦座席にはWSO(兵装システム士官weapon system officers)やCSO(戦闘システム士官combat systems officers)に操縦を教えて搭乗させると米空軍が正式発表した、と報じています。

WSOやCSOは、B-1爆撃機やB-52爆撃機(B-2には存在しない)、更にF-15E戦闘爆撃機に搭乗しており、パイロットと共に操縦席(後席や操縦室の後方)に搭乗して、WSOは爆撃機の搭載兵器システムを操作し、CSO(戦闘システム士官)は兵器システムに加え、電子戦や航法システムも操作して、パイロットの状況認識と機体防御を支援する役割を持つ要員ですが、現在は操縦任務は担っていません。

米空軍報道官はこの決定の理由を以下のように説明・・・
●B-21の致死性と生存性を最大限に高めるため、WSOとCSO要員に蓄積された高度な戦術的・戦闘経験の活用が不可欠
●この計画的な人材管理戦略は、グローバルな攻撃能力を将来に渡り確実にし、厳しい戦闘環境でも長期間の長距離攻撃任務を遂行可能な態勢維持を保証するもの

推測も交え本決定を米空軍協会web記事は・・・
( )内の説明は、「まんぐーす」による補足説明
●2025年秋、複数の航空専門誌が、爆撃機を管理するGSC司令官が上記2名編成を推奨していると報じていたが、例えば「Epic Fury作戦」では、B-1もB-2爆撃機も米本土から連続37時間も飛行してイラン爆撃任務を遂行しており、B-21にパイロット1名では同様の長時間任務が困難だとの疑問の声が上がっていた。今次発表はWSOやCSOにB-21操縦訓練を行う判断を示し、疑問に対応するもの

●(2026年4月までは、)B-1とB-2を(2030年代初頭に)早期退役させる計画で、両爆撃機のパイロットがB-21へ機種転換してB-21新爆撃機の部隊を支える計画だったはずだ。
●しかし、(Epic Fury作戦後の今年春に、爆撃機ニーズが高いと再評価され、)B-1とB-2両機を今後10年ほど延命する計画となったため、両機種退役と共に軍を去る可能性のあった関連経験豊富なWSOとCSOを活用し、新造B-21部隊の操縦席を埋めることで、効果的な「人材管理戦略」としたのだろう

●米空軍報道官は、必要なB-21パイロット数は現時点で未定だと説明している。2025年末時点で、爆撃機141機(B-1から順に45機20機76機)に対し、爆撃機パイロット(B-1、B-2、B-52)は、人事上で497人管理(爆撃機部隊配置以外に空軍司令部等のスタッフ配置の操縦者も存在)されており、1機あたり約3.5人の比率である。

●仮にB-21爆撃機を現計画の100機配備(空軍幹部には145機必要との声あり)し、パイロットを他爆撃機と同比率でB-21に充当すると350名必要となる。(従って、B-1とB-2を延命し、B-52も継続保有する現構想では、B-1,2,52の機体数を多少削減しても、パイロット数が少なくとも2030年代には不足)
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WSOやCSOには、軍人としては優れた人材だが、パイロット養成課程で「操縦者としての動物的な反射能力や空中感覚がやや不足」、「限られた飛行訓練時間内では所望の操縦練度に達するのが困難だが、時間をかければ使えるかも」と判断された人材が配置されていると「まんぐーす」は理解しています(誤解かも)。ですから、パイロット希望者が減少し、要員確保が困難な今の時代に、次善の策として(B-2には不要の)WSOやCSOを活用する「苦肉の策」なのでしょう。

しかし「そもそも」、冒頭で15年前の(B-21次期爆撃機の要求性能検討時の)軍高官発言を持ち出したように、「B-21が有人機である必要性が本当にあるのか?」は「蒸し返す」べき「問い」だとしみじみ思います。

ご紹介したカートライト大将の爆弾発言を受け、米空軍は当時B-21の要求性能に「有人型はオプション:Optionally Manned」と表記してその場を誤魔化し、同大将が退役した後に「有人機」として突き進んだ、「恥ずかしい」2010年代前半の経緯を苦々しく思いだしました。

無人のドローンやミサイルが攻撃兵器の柱になり、戦闘機も弾薬を満載したCCA(無人ウイングマン機)を随伴して戦おうとしている時代に、「WSOとCSO要員(B-2には不要)に蓄積された高度な戦術的・戦闘経験の活用が不可欠」との「こじつけ」で、操縦席ポスト、つまり飛行手当が支給されるポストを死守しようとする米空軍の姿に、「米空軍はその成功の犠牲者である」とのゲーツ国防長官(2011年当時)の言葉が頭に浮かびました

「Epic Fury作戦」後に爆撃機ニーズを再評価した結果・・・
B-1とB-2爆撃機の退役延期(以前は両方2030年代初頭だったが)
「B-1は2037年まで、B-2は時期不明に」→https://holylandtokyo.com/2026/04/30/14608/

約15年前、米軍No2の海兵隊大将が正当な疑問を口に
(2011年7月14日の記者会見で統合参謀副議長が発言し大きな話題に)
なぜB-21爆撃機が有人機である必要があるのか?
「カートライト統合参謀副議長の疑問」→https://holylandtokyo.com/2011/07/17/9520/
「米空軍の誰一人として、私に爆撃機が有人である必要性を教えてくれない」
「核任務に有人型が必要だと言うなら、ICBMやSLBMに有人型があるのか?」
・・・そして統合参謀本部議長候補最有力だったはずの彼は、2か月後に退役へ

第8代副議長で海兵隊パイロット(F-4, F/A-18)のJames E. Cartwright大将を忘れるな!

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