米国防省が無人機迎撃エネルギー兵器の試験基地5か所発表

2月の南部国境での連邦航空局FAA空域閉鎖事案を乗り越え
4月に国防省とFAAが安全確認試験を
南部国境付近陸軍基地2個、北西部海軍基地1個、北部空軍基地2個

5月6日、ヘグゼス国防長官の肝いりで2025年9月創設の米軍基地をドローン攻撃から防御する方策検討チーム「米国防省タスクフォースJIATF-401」(Joint Interagency Task Force 401)が、レーザー兵器やエネルギー兵器を用いたドローン対処兵器導入計画の試験基地(directed-energy counter-unmanned aircraft systems pilot program)として、5つの基地を指定すると発表しました。

指定された5基地は
・陸軍南部国境付近のFort Huachuca, Arizona州
・陸軍南部国境付近のFort Bliss, Texas州
・海軍西海岸のNaval Base Kitsap, Washington州
・空軍米北部のGrand Forks Air Force Base, North Dakota州
・空軍米北部のWhiteman Air Force Base, Missouri州

ちなみに、米海軍のKitsap基地はシアトルの西約25㎞にある原子力潜水艦を含む造船施設もある基地、空軍のGrand Forks基地はカナダ国境を接する州所在で無人機RQ-4母基地、そして空軍のWhiteman基地はB-2ステルス爆撃機母基地で米本土のど真ん中付近の基地です

今回の「5基地指定」の背景には、「雨降って地固まる」的な以下の事案が
●2026年2月11日、米メキシコ国境付近で、メキシコ麻薬密売組織によるドローン対処を担っていた米国国境警備局職員に、米軍がレーザー兵器を使用許可したことで、米連邦航空局FAAが周辺を飛行する航空機の安全確保のため、周辺空域を10日間閉鎖する指示を出し、関係各所がパニックに
●結果的に数時間で空域閉鎖は解除されたものの、過去にない大規模な空域閉鎖指示は、米議員や政府関係機関や専門家から「関係機関の連携不足を露呈した反面教師的事案」と酷評されることに。

●同事件を受け、3月に国防省とFAAが南部国境に近いニューメキシコ州White Sands演習場で、ドローン対策レーザーの安全性確認実験を実施。
●安全確認試験に基づき、4月に国防省とFAAが共同声明を出し、レーザー技術が旅客機の安全運航のリスクにならないことを両者が確認し、両者が協議した安全合意を履行していくと発表

「5基地指定」発表でJITF 401の陸軍准将や大佐は声明で、
●White Sands演習場での実証実験やFAAとの協議を経て、指向性エネルギー兵器がドローン脅威に対抗しつつ、航空機の安全を確保できることを確認し、無人航空機対策は大きく前進した。
●違法かつ敵対的ドローンへの対処は国土防衛上の必須事項だが、この課題への特効薬はなく、このパイロットプログラムを通じ、広範なドローン対策兵器に最先端技術を取り入れ、成果を国土防衛用の運用能力向上につなげる

本件を報じる5月11日付Defense-News記事は
●様々な目的と環境での試験および運用評価支援のために5か所が選定された。ドローン対処能力を確認しつつ、近隣人員やインフラへのリスクを軽減する要領の確認も重要となろう。
●「capabilities, including high-energy lasers and high-powered microwave systems」と声明は言及しているが、具体的にどの対処兵器システムの試験に重点を置くのか等については言及していない
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5月15日の記事でご紹介した米空軍による「米国内空軍基地を防御する検討演習PDBL」は、今回選定された5基地の一つである「Grand Forks Air Force Base, North Dakota州」で行われており、各軍種がそれぞれで進めている「ドローン防御検討」を、「ホッチキス止め」した側面もあるのでしょう。

5基地を指定した「counter-unmanned aircraft systems pilot program」が、何時、どのような形で成果をまとめるのかも声明は触れていませんが、その成果に期待いたしましょう。

米国防省による対無人機エネルギー兵器の試験参加5基地発表
https://www.war.gov/News/News-Stories/Article/Article/4479463/site-selections-announced-for-directed-energy-counter-drone-program/

ドローンから基地や拠点を守る
「空軍はND州基地でPDBL」→https://holylandtokyo.com/2026/05/15/14182/
「大混乱:南部国境レーザー使用で」→https://holylandtokyo.com/2026/02/17/13974/
「北米軍が緊急派遣チーム編成」→https://holylandtokyo.com/2025/11/25/13189/
「分散基地用の対処チームを」→https://holylandtokyo.com/2025/10/22/12984/
「航空管制と無人機センサー融合」→https://holylandtokyo.com/2025/10/10/12168/
「米国内の基地防御演習」→https://holylandtokyo.com/2025/09/10/12313/

他国の状況
「麻薬犯罪組織のドローン脅威」→https://holylandtokyo.com/2025/12/04/13217/
「中国は3000社を巻き込み」→https://holylandtokyo.com/2025/05/28/11509/

ウクライナ最前線の状況
「ドローン迎撃ドローン最前線」→https://holylandtokyo.com/2026/03/17/14163/
「不可避な無人化進行」→https://holylandtokyo.com/2026/03/03/14057/

ウクライナとドローン関連記事
「目標撃破の8割が無人機で」→https://holylandtokyo.com/2026/01/30/13822/
「米企業はウで試験し備えよ」→https://holylandtokyo.com/2025/09/09/12705/
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「音響ドローン探知」→https://holylandtokyo.com/2024/10/24/6355/

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