麻薬組織が外国人志願兵としてウクライナへ要員派造
メキシコでは2年前時点で既にドローン攻撃が260件以上
米国メキシコ国境では毎月数千件のドローン侵入事案が
麻薬犯罪組織だけの話じゃないと考えるべき
11月14日付 Defense-News 記事が、中南米麻薬組織（通称カルテル）が「単なる犯罪シンジケートではなく、準軍事組織とテロリストの戦術が融合したハイブリッドな組織へと変貌を遂げつつある」、「車両搭載型簡易爆弾や50mm対空砲、機関銃、ロケット推進弾を使用して警察や政府機関と戦闘に至っている」状況を取り上げつつ、近年ではカルテルの武器として、「ドローン」が大量に導入され、例えば米国とメキシコの国境地帯では、毎月 1000件を超えるドローン国境侵犯が発生しており、米側が発見できていないドローン侵入数を含めると数千件以上に及ぶ可能性があり、国境周辺を警備する治安機関や米軍部隊拠点の大きな脅威となっているとの、米側関係者の危機感を取り上げています
更に記事は麻薬カルテルの脅威を事例や専門家の視点から解説し
・非国家主体は、かつては国家のみが保有していた能力を今や獲得できる
・カルテルがウクライナ外人部隊に要員派遣したり、軍人を雇用して攻撃ドローン操作訓練
・組織犯罪とテロは理論上区別されているが、現実にはそうした違いはそれほど明確ではない
・ラテンアメリカの犯罪組織は軍隊戦術を採用し、法の支配を弱体化させ領土を支配しており、犯罪組織と準軍事組織の境界線は過去 20年間で急速に曖昧化している
・メキシコ、ブラジル、パキスタン、南アフリカの一部の地域では、麻薬密売カルテル、民兵、マフィアが、重武装した軍隊や警察部隊と激しい戦闘を繰り広げ、ドローン使用が日常化している
・メキシコでは、2023年時点で既に爆発物搭載ドローンによる攻撃が 260件以上報告され、最近では治安機関の拠点を複数のドローンで多方向同時攻撃する事案が急増しており、辺鄙な田舎でもドローン攻撃が拡散発生している
最近の米軍のドローン対処の動き
・ヘグゼス国防長官が、国防省と米軍の全てのドローン対処装備の開発や導入を統括する特別タス
クオース （JIATF 401: Joint Interagency Task Force 401）設置し、各事業の承認や資源配分続括機能を付与
・米北米軍が対ドローン対処キットを装備した迅速対応チームを結成し、米本土内の米軍基地防衛に迅速展開できる体制整備
・米特殊作戦軍が、ドローンの基礎と運用に関する10日間特別訓練コースを開設運営可能な民間業者募集を開始
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中国の軍事脅威と比較する対象ではありませんが、トム・クランシー風に言えば、米国にとって「Clear and Present Danger」な脅威である中南米の麻薬カルテルの状況をご紹介しつつ、「ドローン脅威の拡散」具合を普段とは異なる視点で取り上げました
「非国家主体は、かつては国家のみが保有していた能力を今や獲得可能」で、「国家主体に操られた」、又は「国家主体から任務を受託した非国家主体」も、ドローンを悪事に簡単に利用可能な時代となりました。
「メキシコ、ブラジル、パキスタン、南アフリカの一部の地域」のような状況が、今直ちに目本で発生するとは言いませんが、強力な武器となりうる「ドローン」が、容易に入手可能な先進国です。日本は・・・
小型ドローンから基地を守る
「北米軍が緊急派遣チーム編成」→https://holylandtokyo.com/2025/11/25/13189/
「分散基地用の対処チームを」→https://holylandtokyo.com/2025/10/22/12984/
「航空管制と無人機センサー融合」→https://holylandtokyo.com/2025/10/10/12168/
「米国内の米軍基地防御机上演習」→https://holylandtokyo.com/2025/09/10/12313/
「中国は3000社を巻き込み」→https://holylandtokyo.com/2025/05/28/11509/
