トルコが20機のEurofighter購入を英と契約

F-35共同開発国から除外のトルコがF-16後継に
更にトルコはカタールとオマーンから各12機中古を購入予定
トルコ訪問中の英首相がトルコ大統領と会談後に

10月27日、トルコ訪問中の英国首相がトルコ大統領と会談し、その後にEurofighter Typhoon（EF-2000）戦闘機20機を約1兆5000億円でトルコが購入する契約に両国が署名し、初号機は2030年から納入されると発表されました。Eurofighter導入に関するトルコと英国の協議は7月23日に大筋を「覚書」で合意し、細部を3カ月かけて煮詰めて契約署名に至っています。

驚くべきは、7月下旬時点でトルコが40機購入予定と報道されていたところ、ふたを開けてみると、英国からの新造機購入は今回契約発表の20機で、これとは別にトルコが「カタール」と「オマーン」から中古のEurofighter各12機づつ合計24機購入を計画していると英国防相が発表している点で、カタールからの機体は2026年早々にもトルコに到着するとのことです

今回の英国首相の訪トルコに際しては、英空軍Eurofighter戦闘機3機が同行し、トルコ領空内に入ったところでトルコ空軍F-16と合流してエスコートを受ける「演出」付きで歓迎を受け、英国首相と英国防相がトルコ空軍基地に到着した英軍パイロットたちを出迎える場面まで準備されていたとのことで、英国に2万名の雇用安定を生み出す近年最大の輸出案件として英国では大宣伝されているようです

本件に関し10月27日付Defense-News記事は
●トルコは10番目のEurofighter購入国になる。新たな同機購入国は2017年以降で初めて。
●トルコは国産のKaan戦闘機を開発中で、同機が完成配備されるまでをEurofighterが支える構想がある
●本契約で英国のBAEシステムズ社は約8000億円の収入を確保するが、英国内工場で主要な機体部品の製造、航空機の最終組立、そして兵器統合を主導し、サプライチェーン全体で数百の英国企業に雇用を提供する。

トルコ空軍F-16戦闘機200機（現在は減耗で約170機）後継の経緯
●当初は100機のF-35と100機のF-16近代化改修機を後継に想定
●トルコのロシア製地対空ミサイル導入決定で、第1次トランプ政権が2019年9月にトルコをF-35計画から排除
●また米国とのF-16近代化改修関連の交渉もとん挫
（その後トルコは、国産機開発やロシア製Su-57導入等々を検討するが煮詰まらず・・・）

上記のゴタゴタはあれど・・・NATO 唯一のイスラム国であるトルコとの関係は米国にとって重要で、欧州 NATO 諸国（ドイツ、ベルギー、オランダ、イタリア、トルコ）による「米国戦術核兵器シェアリング」任務の件もあり、更にトルコからのF-35部品調達の完全脱却も時間が必要等々の観点もあり・・・、

●2021年10月に「米がトルコに F-16売却提案」との報道が出回る。
●2024年1月、スウェーデンのNATO 加盟に反対していたトルコが賛成すると米国政府に約束したタイミングで、米国務省が40機の最新 F-16と 79機分のF-16近代化改修キットを約3兆4000億円で売却することを承認
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カタールやオマーンまで関わる複雑怪奇な世界となっており、極東の島国育ちのまんぐーすには「？？？」な展開ですが、巨大なマネーが動く戦闘機ビジネスですので、こんなことも起こりえるのでしょう・・・。