「今頃やっと?」と突っ込みたい気もしますが
デジタル空間で12機が17シナリオで統合訓練
訓練システムに今後FA-18やEA-18GやE-2Dを導入予定
ワシントンDCの南東約70㎞に所在する米海軍Patuxent River航空基地(メリーランド州)の施設に集まった海兵隊と空軍パイロットは、シュミレーション装置上で8機のF-35(B型とC型)と4機のF-22に乗り込み、実際の訓練空域や演習場では再現できない脅威環境下で、高度で複雑な戦闘環境や任務を想定した17個のシナリオに沿って訓練を行ったとのことです
各シナリオ訓練後には、参加者が一堂に会し、JSEシステムに保存された訓練状況を訓練コックピットや大型スクリーン上で再現しながら、各場面での判断や行動を振り返りつつ、各参加者が意見交換を活発に行い、非常に濃密な実り多い訓練ができたと、同訓練センター長のJohn Dougherty海軍少将は振り返ってます
また同少将は、「この画期的な訓練は正にGame-Changerと表現でき、米海軍海兵隊と米空軍の戦闘機共同訓練の新時代を告げるものであり、両軍の今後の共同訓練の標準形を策定するきわめて大きなイベントとなった」とも表現し、その意義を高く評価しています
なお同センターでは、既にNATOの操縦者も訓練を行っているようです。また今後シム装置に、FA-18やEA-18GやE-2Dを模擬可能なソフトやハードを導入する予定だということです
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ご紹介した米海軍航空戦闘センター(Naval Air Warfare Center)発表や、その内容を報じた4月7日付Defense-Newsの短い記事からは、何が「初めて」なのか判然とせず、同センター施設での「空海兵戦闘機による共同シム訓練」が初なのか、米軍全体でも初なのか、他の部分が初なのかよくわかりません。
でも同センターのシステムは「DOD’s most advanced digital test and training range」と紹介されていますので、ここでの訓練が米軍戦闘機のシム訓練最前線とご理解いただいてよいと思いましすし、同センターでの「1週間のシム訓練」で、「実飛行を伴う飛行訓練の1年分の内容」をこなすことが可能とも表現されていますので、費用対効果の観点からも、日本でも早期に導入を進めていただきたいと思います
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