トランプ政権のCybersecurity姿勢は

バイデン政権による国家主導の民間規制から
次期政権は防御への政府関与削減と報復重視へ

1月2日付 DefenseOne 記事が、中国によるサイバー攻撃が前例のないレベルに激化し、米国バイデン政権末期の動向把握と次期トランプ政権の準備状況を探っている状況に触れつつ次期トランプ政権のFBI 長官候補者や国家安全保障担当大統領補佐官指名者のサイバーセキュリティへの姿勢や考え方を紹介し、米国政府の本件への取り組み方針が大きく変化しそうな雰囲気を報じていますので、現時点では不明確な部分も多い次期政権姿勢ですが、取り上げておきます

中国によるサイバー攻撃激化
●12月30日、中国政府が支援する組織による米財務省システムへの大規模侵入が報じられた。侵入の狙いは、米国政府による中国輸出企業への制裁措置の詳細を探ることで、バイデン政権が24年9月に発表した中国製品への追加制裁や、トランプ氏が言及している中国への6割関税構想に関する情報収集と見られている
●同時に米当局は、中国のSalt Typhoon group が米国の通信事業者9社システムに大規模侵入した事案について、「数百万人の米国人位置や通話を録音する能力を手に入れた」、「特定の政府関係者をスパイすることを主な目的としているようだ」と現国家安全保障副補佐官が会見で語り、現 FBI長官が「史上最も重大なサイバースパイ活動」と表現する中で事案の評価を継続中

バイデン政権のサイバーセキュリティ姿勢
●前述の現国家安全保障副補佐官が、「自主的なCybersecurity対策では、中露イランによる米国重要インフラへのハッキング対処には不十分」で、「より強力な Cybersecurity 規則を強制的に民間業者にも守らせるべき」と主張
●またバイデン政権は、盗聴防止のための暗号通信を推進し、同時にハッキング対処能力向上のために政府と民間産業の協力強化を促進

一方トランプ次期政権関係者は
●企業に対するCybersecunity 規制の緩和や、サイバー脅威対応に関連するFBIなど政府機関の縮小または廃止を提案。ヘリテージ財団のプロジェクト 2025 は、「Cybersecunty and Infrastructure Security Agency を縮小」し、「民間主導の解決策を採用」することを提案
●例えば、FBI長官候補のパテル氏は「国内諜報活動を主導してきたFBIは、基本に立ち返り法執行に重点を置くべき」、「FBIを分散化し、ワシントン本部を閉鎖」等と、連邦政府の Cybersecurity能力削減案を主張し、国家安全保障問題担当大統領補佐官予定のウォルツ下院議員は「敵対国への攻撃的サイバー作戦使用や、サイバー侵入国家主体への懲罰的経済的制裁」を提案
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