次期政権での留任無し確定で本音炸裂
「目標機数はあるも、誰も何機購入するかわからない」
「一定期間は更に購入し続けるだろうが・・」
関連発言を英文併記でご紹介すると・・・
●F-35 の保有目標は1,763機ですが、最終的に何機購入するかはわかりませんし、現時点では誰も予測できません(Our inventory objective for the F-35 is 1,763.I do not know what we’ll end up buying, and nobody can predict that right now)
●今後さらに購入することはわかっていますし、一定期間さらに購入し続けることになります (I know we’re going to buy more, and we’re going to be buying more for some period of time.)
●ある時点で、これは次世代制空機とCCAで何をするかによって決まります(At some point,this will be dependent on what we do with Next Generation Air Dominance and what we do with Collaborative Combat Aircraft,)
●おそらくその点については再検討するでしょうが、まだその準備が整っているとは思いません (we’ll probably revisit that, but I don’t think we’re ready to do that yet)
更にElon Musk氏がF-35を酷評したことに触れつつ
(12月19日付 DefenseOne 記事によれば)
●F-35がすぐになくなることはない。たとえ米空軍が次期制空機NGAD 計画で第6世代戦闘機製造を決定しても、それは非常に高価な航空機であり、大量配備するには少なくとも何年も必要だ
●ただし、F-35 製造のロッキード社にはより良いパフォーマンスを要求している。彼らは約束したことを実行しておらず、大幅に遅らせている。
(上記発言の背景には、F-35最新ソフト Tech Refresh 3の完成度に不満の米空軍が、1年以上機体受領を拒否しており、最新の生産ロット契約(Lot 18と19)に関しても、次期政権誕生までに正式契約に至るか不透明な情勢)
●私はエンジニアとしての Elon Musk 氏を尊敬しています。ただ彼には戦士の経験がありません(not a watighter)し、今回のような壮大な発表(F-35 酷評の件: such a grand announcements)をする前に、もう少し安保ビジネスについて学ぶ必要がある。
●米軍はいつか有人戦闘機の代わりに自律型ドローンだけに頼るようになるかもしれないが、それは数百年先ではないが、少なくとも数十年先のことだ。
●私の後任者が国家安全保障関係の出身者かどうかに関わらず、学習モードに入り、国防省の専門家の助言に耳を傾けるべきだ。安保コミュニティに不案内な人が入ってくる場合、この仕事に携わってきた人たちの話に耳を傾け、早く彼らから多くを学び、深い知識を身につけるべきと助言したい。
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Kendall 長官の任期は新政権が発足するまでの数週間のみで、12月16日から国防省内で引き継ぎ関連業務を始めたトランプ政権移行チームと、既に面談を行ったと同長官は18日の講演で語っていたようです。
まだトランプ大統領は Kendall 氏の後任候補を発表していませんが、トランプ氏への主要献金者で投資顧問会社代表を務め、国防省業務の経験がほとんどない Andrew Mckenna 氏との名前が有力だと一部メディアが報じているようです。熱血漢だった Kendall 氏の元気のない様子が目に浮かぶような、実質最後の部外講演模様でした。
最近の米空軍戦闘機の話題
「次期制空機の判断は次期政権で」→https://holylandtokyo.com/2024/12/09/10419/
「マスク氏がF-35痛烈批判」→https://holylandtokyo.com/2024/12/02/10368/
「米空軍のF-35 導入ペース低下」→https://holylandtokyo.com/2024/11/25/6327/