F-35の問題点を米議会で国防省が証言

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稼働率が上がらないのはキャノピー調達問題?
ALISのデータ共有について国防省とL社が激突中

F-35 clear2.jpg13日に下院航空戦力小委員会で行われたF-35に関する公聴会で米国防省の主要関係者(調達担当次官、F-35計画室長、試験評価局長など)が証言し、F-35の稼働率が上がらない主要なボトルネックや、維持費高止まり対処に苦悩する国防省と維持整備関連データをALIS内で囲みこもうとするロッキード社間の対立などが明らかにされています

巷ではF-35価格が最新のロット契約で90億円を切ったとか、明るそうな話題が流れていますが、維持費が第4世代機の倍以上で、未成熟な機体への追加改修費が必要なことから、「亡国のF-35」であることに何ら変化がないことを忘れてはなりません。

本日は議会でのやり取りから、最近は「犬も食わない」と言われているF-35の現在位置をかいつまんでご紹介いたします。なお、同じ国防省でも、Lord調達担当次官やFickF-35計画室長は立場上「F-35擁護派」で、試験評価局長は第3者的な視点(付度ゼロ)で冷徹に現実を評価する人物で、「F-35に関する過去の発言は全て正しかった」とまんぐーすが認識している人です

稼働率が上がらない元凶はキャノピー問題?
Behler2.jpgRobert Behler試験評価局長は、単純にF-35が目標としている稼働率を満たせないのは、「計画よりもよく壊れ、修理に予定よりも時間が必要だからだ」と証言し、マティス前長官が示した稼働率8割の目標設定をクリアできなかった背景を述べた
一方でF-35擁護側のF-35計画室長Eric Fick中将は、海外に派遣された部隊は一時的に稼働率が向上することがあると述べ、春から10月までUAEに展開した「第388戦闘航空団の部隊は、4月段階の72%稼働率から、帰国時には92%に回復していた」と説明した

●そしてFick中将は、稼働率向上を妨げている主原因として、キャノピーのステルスコーティング劣化を修復する物品の調達が滞っていることを挙げた
●この点に関してはエスパー国防長官も7月に触れ、「F-35のキャノピー関連調達の不足が稼働率アップの主要な障害となっている」と上院軍事委員会への証言で明らかにしていた

13日の公聴会は、米国政府の会計検査院が13日に新たなレポートを出し、重ねて国防省に対し、血税浪費を生んでいるF-35計画改善を求めたことを受け開かれたもので、22ページのレポートの指摘事項の大半が4月のレポートから変化なく、改善が遅々として進んでいないことが明らかになったことが契機となっている

●会計検査院は最新のレポートで、「国防省のF-35調達費は約45兆円を超えることが見積もられ、更にその維持費が別に110兆円を超える状態となっている。国防省はF-35の稼働率向上を図る過程で、長期間にわたる維持経費の許容可能性について吟味し、その改善を求められている」と指摘している

世も末:ALISデータへのアクセス権でL社と対立
Lord2.jpg国防省とロッキード社は、F-35の維持整備を管理するALIS(自動兵站情報システム)の問題を解消するため、2020年9月までに再出発の新バージョンを部隊に投入すると明らかにしているが、国防省がALISシステム内のデータにどれだけアクセス可能かに関し、両者は激しく対立している
●国防省は維持費の度重なる高騰を受け、ロッキード社に不信感を強めており、ALISを管理することで入力されるデータをロッキード社が独占することを危惧し、国防省がより多くALISを管理できるようロッキードに要求していると、下院公聴会でフラストレーションを議員らにあらわにした

ALISの設計当時のコンセプトでは、ロッキード社が「知的財産」について一元的にコントロールすることになっており、ロッキードが整備計画や部品、兵站全般など主要な側面を管理するが、ALISのこれまでのトラブルとロッキードへの不信感から、このままでは維持整備費の高止まりが避けられないとの危機感が国防省側にある
Lord調達担当次官は、「新しいALISのアルゴリズムは現存する全てのデータにも適応し、引き続きロッキードと必要なプロセスを進めていく」と述べた後、「しかし、知的財産に関する理解に関し、米国政府が支出して構築したシステムへのアクセスがどこまで可能かについて明確にする必要がある」とロッキードとの見解の違いに言及した

Fick.jpgF-35計画室長も、ロッキードの知的財産権に関する主張には馬鹿げたものであり、国防省が仕事をするのに必要なデータへのアクセスを確保することは極めて重要だと訴えたが、これまでのところ、知的財産権の壁に阻まれ、国防省の要求は跳ね返されている
●同室長は更に「現在国防省は、知的財産権で何が守られているかを確認し、必要な部分へのアクセスが可能かどうかを明確にすることに取り組んでいる。このアクセス権追求は極めて重要だ」と語った

Lord次官は、「我々にとっての課題は、ALISの多くのデータやデータ処理がロッキードのコンピュータで扱われることであるが、新しいALISでは国防省のアクセスを確保することが必要だ」、「何がロッキードのデータで、何が政府のデータかの争いを鎮めて明確にすることだ」と決意を語った
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ALISのデータとか、知的財産権とか、問題の具体的な中身がさっぱりわかりませんが、唖然とするレベルの話であることは確かでしょうロッキードは何を考えているのか、何を隠そうとしているのか・・・と呆れてものも言えません・・・

F-35-eglin.jpg「亡国のF-35」を生み出したロッキードの「守銭奴」ぶりと、それを許した米国産軍複合体の暗部を記憶にとどめておくべきでしょう。737MAXで多数の死傷者を出し、そのブラックぶりで労働者から内部告発が相次ぐボーイングも同じ穴の「ムジナ」です

話題は全く変わりますがF-35に関して個人的に、ロシア製S-400のレーダー覆域内で飛行させたくないとの米国からの圧力があれば、日本のF-35の日本海や東シナ海での平時の活動(対領空侵犯措置や訓練)に大幅な制約が課せられるのではないかと懸念しております。大丈夫ですかねぇ・・・。「ロシアや中国の偵察機のそばを飛行させるな」とか、突然米側から言われたりして・・・

F-35維持費の削減は極めて困難
「国防省F-35計画室長が語る」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-05-03
「米空軍参謀総長が語る」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-03-02
「F-35の主要な問題や課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-17
「維持費をF-16並みにしたい」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-01-1

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