どんな組織にも、組織上のリーダーとは別に、一目置かれる存在がいるものです。単に声が大きい年長者、現場に詳しいベテラン、2代目社長にとっての初代社長の片腕だった人、又は変わりつつある組織の中の古い組織文化の象徴的な人だったりするのでしょうか・・・。
米空軍にとってAir Combat Command(ACC)のCorley司令官は、影響力の強い「影のドン」的存在です。つまり空軍の中心的存在と見なされている戦闘機パイロットの最上級・最年長者がその地位にあります。そのACCの司令官がゲーツ国防長官や空軍参謀総長の意向に反し、「F22をもっと生産すべし」とのレターを有力議員に送っていたことが明らかになりました。http://www.csmonitor.com/2009/0618/p02s09-usmi.html
6月9日に発送されたその中身は・・・
●F22を現状の187機で良いとの検討分析がなされていない。187機では、比較的近い将来に国家安全保障戦略を高リスクにさらす。
●仮に250機あっても、国家を中程度のリスクにさらすこととなる。
これに対しゲーツ長官は静観の構えですが、空軍長官と空軍参謀総長は連名の声明で、
●Corley司令官の様な意見を含めすべての案を検討した結果が現在の結論であり、F22を追加生産するために他の優先度の高いプログラムを減らすわけには行かない。
とのコメントを出しています。
ACCのCorley司令官は、以前から今秋には退役予定する旨を明らかにしており、将来のある現役パイロットの代わりに言いたいことを言ってやった、みたいな話ですかな・・。歴代ACCの司令官、大成功した湾岸戦争の空軍作戦計画に最後まで反対していたことが明らかになるなどなど、悪い話が表に出ることが多いポストですね~。
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