5日、チルトン米戦略軍司令官(Gen. Kevin Chilton, Strategic Command)は宇宙ごみ(debris)と衛星の衝突を避ける対策強化の必要性を訴えました。
「我々はこの分野で数十年遅れている」と、米国だけでなく全世界の危機意識が低いことを警告し、「要望リスト」にも言及しました。
この分野が大きくクローズアップされたのは、本年2月にイリジウム通信衛星(写真下)とロシアのコスモス衛星が宇宙で衝突した事件がきっかけですが、同司令官は戦略軍にとっての「将来を暗示する本年最大の出来事」と語りました。
同時に衝突事案をきっかけに、「宇宙は広大だから、衝突の可能性など極めて低い」との幻想が消えつつあり、注目が集まりつつあることを歓迎しました。そして、約800個の運用中衛星と2万個以上の宇宙ゴミの衝突を予測する能力向上に、新たなアイディアが生まれつつあると語りました。
チルトン司令官は「状況認識は、陸海空と同様に宇宙でも重要である。(しかし)私は部下に十分なものを与えられていない」として、衛星や宇宙ゴミを追尾する「センサーが地球周辺をカバーする適切な位置にまず必要だ」と訴えました。また宇宙に配置するセンサの必要性にも言及し、意味不明ですが宇宙フェンス(space fence)の交換・除去が必要だとも述べました。
最後に、同盟国とも協力して宇宙の監視を行ない、不確かなエリアを無くさなければならない、とも訴えました。なかなか我々にはピンと来ない分野ですが、降って掛かってくるかもしれませんね。
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