7日モレル米国防省報道官は、ゲーツ国防長官がオバマ大統領の要請を受け、少なくとも今後1年は国防長官のポストにとどまることを明らかにしました。
同報道官の発言を紹介すると・・・
「大統領とゲーツ長官は本件について2010年末に再び話し合うこととした。明確なことは、ゲーツ長官が大統領を喜んで支え、そのことを誇りに思う、との関係に依然変化がないことである。確かに、ゲーツ長官は自宅のある北西太平洋岸地域(シアトル郊外)での引退生活を楽しみにしているが。」
ゲーツ長官就任以来の出来事を振り返ると・・・
●06年12月、イラク政策の不手際で事実上更迭されたラムズフェルド氏の後任としてブッシュ前大統領から国防長官に指名される。
●着任時混乱していたイラク戦略を立て直し、「サージ」を成功に導く。
●負傷兵への劣悪な処遇で問題となったウォルター・リード陸軍病院問題で、陸軍長官、陸軍首席医務官、病院長等を解任し、退役軍人省との連携をはかって態勢を立て直す。
●米空軍核兵器管理に関する問題発覚に際し、08年6月空軍長官と空軍参謀総長に辞任を要請。
●2010年度予算で、F-22計画の中止とF-35への集中を決定、陸軍FCS計画の中止を決定、今の戦いに必要な強化走行車両の迅速な提供を実現。
●オバマ政権誕生時、政権政党が変わったケースで初めての国防長官留任。オバマ大統領の信頼を受け、アフガン新戦略を策定。
1967年に空軍少尉として入隊後、CIAでの勤務で数々の功績をあげ、91~93年にCIA叩き上げ職員として初のCIA長官に就任、ホワイトハウスやNSC勤務等を含め、40年以上の国家安全保障分野での勤務歴で8人の大統領を支えた。国防長官就任直前はテキサスA&M大学学長を努めていました。
インディアナ大学で修士課程で学んでいた際、ケイティー夫人と出会う。ジョージタウン大学でロシアとソ連の歴史関連で博士号取得。
CIA長官時は、冷戦終了後に日本やドイツが経済的敵として見られていた時期であり、日米関係が「ジャパンバッシング」や「数値目標」で最悪だった頃ですが、CIA長官としてこれら政策を側面から支えていたものと思われます。昨年11月に来日時、「この15年間で、日米関係は本当に改善された・・」と正直にその変化を感慨深く振り返って共同記者会見で述べていることからも伺えます。
ゲーツ国防長官に興味があって始めた「東京の郊外より・・」ですので、これでしばらくはモチベーションが続きます。
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