24日、カーター国防次官(取得技術兵站担当)は下院軍事委員会で証言し、ゲーツ長官が国防省F-35プログラムの新責任者にベンレット海軍中将(Vice Adm. David J. Venlet)を推薦したと述べました。
ゲーツ長官は2月1日のQDR及び2011年度予算発表会見で、当時の同プログラム責任者デイビット・ヘインズ海兵隊少将を交代させ、より階級上位の中将を新責任者に当てると発表していたところです。(ヘインズ少将は、第2のエンジン開発の継続を主張したための更迭と言われています)
新責任者のベンレット中将は、現在海軍の航空システムコマンドの司令官で、海軍航空部隊の装備品開発や試験を担当する部隊の指揮官です。海軍士官学校卒業のF-14のパイロットで、テストパイロットとしても装備品の開発に携わった経験がある優秀な方だそうです。
それにしても、海兵隊少将から海軍中将へ。またもや空軍はこのポストを獲得できませんでした。F-35は米軍内で2443機、共同開発国が730機の調達を予定していますが、米軍調達予定の8割ほどは空軍調達のはずですが・・・。空軍の戦闘機パイロットは信用されていないんですかね・・・
ところでF-35は現在の30ヶ月の遅れを13ヶ月にまで短縮することになっていますが、カーター国防次官は、議会での証言で遅れを取り戻す方法として、以下の方策を上げました・・・
●遅れている試験用に試験用機体を追加購入すると同時に、3機の機体を借用する
●ソフトウェア作成用のラインを増設する
●3タイプ(海、海兵隊、空軍用)の同時並行開発を抑える。(推測:どれかに資源集中)
また別の国防省テスト評価課長は、「懸念としては、2016年春の統合テスト終了に向け、2015年にテストが開始できる状態にあるかである。しかし、強力な試験計画により問題を早期に特定することにより費用も抑えられる」と述べ、微妙な綱渡り状態にあることを伺わせています。
値段は50ミリオンドルから90ミリオンドルへ、開発も遅れ・・・、中国ロシアが安い5世代機を開発中で・・・、寂しさを感じさせます。
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