米国防省がKendall前空軍長官の機密情報取扱資格を取り消し

報道官はカタール寄贈大統領専用機の機密情報を許可なく開示したと説明
ただ具体的にどのメディアへのどの発言が問題なのかは触れず
資格消滅で「後任者との協議」「軍需産業での業務」「政府諮問委員会」等は不可能に
2025年1月に長官退任以降の国防省への厳しい批判が背景か?

8月7日金曜日の夜、米国防省のParnell報道官が、前空軍長官Frank Kendall氏が大統領専用機の性能や仕様に関する機密情報を許可なく開示したとして、同氏が政府機関職員として約60年間保持し、大統領による政治任用者に退任後も与えられている「機密情報へのアクセス権と、機密性の高い役職に就く資格」などを含む「機密情報取扱資格」を取り消したと発表しました。

同報道官は発表で、「機密情報の保護は譲れない義務だ。その信頼に背いた者は、同資格と同資格を要する全ての役割の特権を失う」、「処分が即時効力を持つ」と強調しましたが、Kendall氏の「どのメディア」への「どの発言」が問題視されたのか等の細部については言及していません。

Kendall氏は、機密情報の扱いの重要性は十分理解し、慎重に対応しており、機密情報漏洩など一切していないと容疑を全面的に否定。「寝耳に水で、政府から事前連絡や事情聴取も一切なく、弁明の機会も与えられていない」と適正手続欠如を批判し、資格回復を求めてトランプ政権を提訴する方針を示しているとのことです。

10日付米空軍協会web記事等によれば、退任後の前空軍長官が「機密情報取扱資格」を失うことにより、例えば「軍需企業での役員・顧問職への就任不可」、「政府への政策提言や機密諮問委員会からの排除」、「データアクセス制限による裁判等の法的防御力の弱体化」、「社会的信用と名誉の失墜(経済的損失)」など、極めて大きな影響を受けるとのことです。

「機密情報取扱資格」のはく奪は、第1期トランプ政権時にト大統領を厳しく批判した「ブレナン元CIA長官」に始まり、第2期政権誕生以降は「バイデン大統領、副大統領、国務長官」、「元政府・情報機関の高官80名以上」などに拡大しており、現政権やトランプ氏を公然と批判する元高官に実害を与えることで、批判発言抑止に乱用されていると問題視する声や、連邦地裁が「資格取消の差し止め」命令をだす事例も出て、大きな議論を呼んでいるところです。

Kendall氏に関し米空軍協会web記事は、退任後過去1年半にわたり、トランプ大統領とヘグセス国防長官による「各軍の主任法務官解任」、「麻薬密輸船らしき船への強硬攻撃」「イラン作戦の戦略」等々を厳しく非難し、最近は著書『Lethal Autonomy: The Future of Warfare』の中で、自律システム高度化により、有人戦闘機は次第に時代遅れになると主張するなど、ト政権が突然発表した「F-47次期戦闘機」や「トランプ級戦艦」への批判的姿勢を隠していなかったと紹介しています。
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今回の資格喪失の直接の引き金となったと噂の発言は、カタールから寄贈を受けた王族専用機B747-8型機の短期間での突貫改修(正規の後継機VC-25Bの旅客機からの機体改修が10年かかる中で、1年程度で終了)に関する7月9日付NYT紙上での「時間の都合上、通常の大統領専用機改修を全ては出来なかったので、セキュリティ、通信、サポートの一部が欠けている」(具体的な欠落内容に言及無し)だと報道されていますが、

同NYT紙報道後にトランプ大統領自身が、「(同機体を)最大限に活用する」ための追加の改修で、同機を1か月間運用停止にすると発表しており、もともと、僅か1年程度でカタール機が短期間で改修完了可能で、正規の後継機が10年必要な理由を政府がほとんど説明をしていないことや、改修担当の米空軍が6月に「安全で、securityも万全で、大統領専用機に必要な最先端技術を備えている」と明言していることから、米空軍応援団である米空軍協会web記事も、歯切れの悪い内容となっています。

「まんぐーす」は、Kendall氏の「基地防衛や新たな脅威対応への優先投資」主張に賛同し、「F-47次期戦闘機」導入優先への批判を「理にかなった主張」と考えご紹介してきましたので、「資格取消」の是非は判断できませんが、今回の決定は残念です。併せて、トランプ政権が数か月後の中間選挙で敗北し、米国の政治が混乱&停滞する事態を、中国に利する恐れがある点で大いに懸念いたします。

大統領専用機巡るゴタゴタ
「カタール機改修費は次期ICBM余剰金で」→https://holylandtokyo.com/2025/07/08/12081/
「カタール贈与機を一時大統領専用機に」→https://holylandtokyo.com/2025/05/23/11626/
「トランプは遅れに不満」→https://holylandtokyo.com/2025/02/26/10890/
「2024年予定から 2-3年遅」→https://holylandtokyo.com/2022/05/31/3291/

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