有人月面着陸や原子力推進装置や約7.5兆円の国内投資呼び込み
国防省中心に宇宙安全保障戦略を6カ月以内に作成
同戦略を支える具体的な計画や枠組みの早期策定指示も
本大統領令を紹介する12月22日付米空軍協会web記事は、「文書は、宇宙探査、科学的成果、経済発展に重点を置く一方で、宇宙軍の宇宙優勢確保任務が米国益の鍵だと表現する安全保障ビジョンも含んでいる」と述べ、米宇宙軍の役割としてのCounterspace任務(攻撃任務と解釈)にも言及していると力説していますが、本日は同記事から同大統領令の概要をご紹介いたします
【宇宙探査、科学的成果、経済発展に重点】
・宇宙探査では、2028年末までにNASA宇宙飛行士が再び月面探査
・新技術導入では、例えば原子力推進装置の開発導入、宇宙での原子力発電活用推進
・経済発展では、2028年までに7.5兆円の米国産業への投資呼び込み
【宇宙安全保障戦略の作成】
・6か月以内に国防省は、国家情報長官DNI、国家安保担当大統領補佐官、科学技術担当大統領補佐官と協力し、脅威に対処する同戦略を作成
→同時に、同戦略推進を支える「即応性と適応性を備えた国家安全保障space architecture」の作成も指示
→更に6か月以内に、同盟国などからの貢献を強化するための計画も作成
・「潜在的な宇宙核兵器配備への対抗技術計画」の作成(2024年に国防省情報機関が示唆発表した露による宇宙配備核兵器開発に対すると推測される)
・3か月以内に国防省と国家情報長官DNIと大統領府は、宇宙関連の「技術、サプライチェーン、関連産業の能力ギャップ報告書」と「予算制約の中での右ギャップ緩和対策計画」の作成
●米空軍協会web記事が注目の「Counterspace任務」と「核技術」
注目点【Counterspace任務(攻撃任務と解釈)】
背景として→上記の「露による宇宙配備核兵器開発疑惑」や「中国による米衛星近傍での衛星ドッグファイト演習」等の脅威を受け、同文書では「Counterspace任務」を重視し、
・「米国の宇宙システムに対する脅威の検知、特徴づけ、そして『対抗』が政権の最重要課題」と表現
・「2028年までにGolden Dome計画を通して先進的なミサイル防衛を実証」との表現で、警戒・追跡技術だけでなく迎撃技術にも言及し、地上や宇宙から敵ミサイル無力化を追求
・上で言及済の「露による宇宙配備核兵器開発への対応技術計画の作成指示」
注目点【技術開発での原子力活用関連の指示】
・2030年までに月探査関連で原子炉を月面に配備
→科学技術担当大統領補佐官に、60日以内に指針となる「National Initiative for American Space Nuclear Power」作成指示
・原子力推進(Nuclear Propulsion)を重要優先事項に指定し、熱および電気による原子力推進技術で、より機動性の高い宇宙船開発を推進
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2026年には、宇宙関連の様々な「戦略」や「計画」や「構想」や「Initiative」が飛び出しそうですので、これまでの宇宙に関する雑多なご紹介の整理も兼ね、3ページ程度の大統領令
「Ensuring American Space Superiority」を「ざっくり」ご紹介いたしました。
記事は大統領令を「構想を迅速に実行に移したい意気込みを示している」と評価していますが、「取り組みの多くは成功するために追加資金が必要となる」との課題も明確にしており、引き続き宇宙関連の基礎知識不足を痛感しながらも、こんな調子でフォローしていきたいと思います
大統領令「Ensuring American Space Superiority」の現物
→https://www.whitehouse.gov/presidential-actions/2025/12/ensuring-american-space-superiority/
宇宙核兵器や衛星ドッグファイト関連記事
「中国が衛星ドッグファイト」→https://holylandtokyo.com/2025/03/21/11077/
「中国が亡霊核兵器FOBS開発か」→https://holylandtokyo.com/2021/09/22/2264/
米宇宙軍の初期Counterspace部隊関連
「Counterspace部隊を語る」→https://holylandtokyo.com/2024/01/17/5424/
「初の攻撃オプション検討部隊」→https://holylandtokyo.com/2023/08/23/4970/
「米宇宙軍初の攻撃兵器CCS」→https://holylandtokyo.com/2020/04/14/725/


12月18日、トランプ大統領が「Ensuring American Space Superiority」と名付けた大統領令に署名し、「宇宙での優位性は国家ビジョンとやる気の尺度だ」と位置づけ、「優位性確保のための技術開発は、国家の力、安全保障、繁栄に大きく貢献する」と説明し、「米国は探査範囲を拡大し、重要経済&安全保障上の利益を確保し、商業開発を活性化させる」と、これまでの様々な取り組みを総括するように、米国の取り組み方針を再整理して示しました
