次期空母艦載戦闘機FA-XXの選定結果発表が先延ばしの中
4社とコンセプト開発契約との報道がある中で
「FA-XX」の選定作業は、米海軍内での選定業務は半年以上前に終了し、新政権国防省の了解を得て今年3月には発表予定と言われながら全く動きがない状態が続いていましたが、最近になって「5月にヘグゼス国防長官は、空軍F-47戦闘機と海軍FA-XXの同時開発は米軍需産業の能力規模からすると無理があるため、FA-XX計画の無期限延期を示唆していたが、10月に入って同計画の前進を決定した模様で、上院でも2026年度予算案にFA-XX予算を約2000億円計上している」とロイターが報じたこともあり、10月17日付記事につながったものとまんぐーすは邪推しております
10月17日付米空軍協会web記事によれば海軍CCA計画は
●軍事情報サイトBreaking Defenseが9月に、米海軍が海軍版CCAのコンセプト開発契約を4社(Anduril Industries, Boeing, General Atomics Aeronautical Systems, Northrop Grumman)と契約し、別にロッキード社とはCCAの「common control system」開発の契約を結んだと報道。ただし米海軍は現時点でも本件に関し公式発表は行っておらず、FA-XXの発表待ちだと言われている
●先行してCCA事業を進めている米空軍は、CCA第1弾(Increment 1)として有人戦闘機の「空対空能力」補完に特化したCCA開発をAnduril社とGeneral Atomics社と進めているが、米海軍は米空軍の取り組みから可能な限り多くの技術を活用すると述べる一方で、「攻撃」と「空対空戦闘」能力の両方を要求している模様
●上記4社の中の1社General Atomics(GA)は10月17日、契約の規模やスケジュール等の細部には言及せず、米海軍と海軍版CCAのコンセプト開発契約を締結していると発表し、「海軍側の変化する任務要求に迅速に対応するため、モジュラー式で多様な装備を搭載してアップグレード可能なアプローチを採用」、「従来の長期プログラムではなく、最新技術を迅速導入可能な小規模ロットの頻繁購入を目指す革新的な海軍調達戦略をサポート」とコメントしている
●なおGA社は、2024年の英国Farnborough航空ショーで、空母艦載型CCA開発を明らかにし、アレスティングフックや折りたたみ式翼を備えた開発が噂されているが、同時に同社は、短距離離陸・垂直着陸型無人機の空母艦載想定実験を複数実施しており、アレスティングフックが不要となる可能性も示唆している。また業界筋は、GA社は「空対空」に特化したCCAを提案する可能性を示唆している
●Anduril社担当副社長は9月に、海軍用CCAには、米空軍CCA用に開発している多くの機能や電子機器やソフトを活用することにはなろうが、海軍CCAは同社が空軍用に開発中の「YQF-44 Fury」とは「全く似ておらず、派生形ではない」可能性が高いと発言
●Northrop社は、「CCAコンセプト開発のために米海軍と提携しており、空母航空部隊と高度な自律性飛行に関する我社の豊富な経験を提供する準備を進めている」、「更に、製造時間、各種プロセス、コスト面での削減に必要な投資を行い、成果を挙げつつある」と回答
●ボーイング社は、海軍CCAに関する質問に対し、「米海軍に問い合わせてほしい」と回答している
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米国防省が2つの次世代戦闘機(空軍F-47と海軍FA-XX)の同時開発に「Goサイン」を出したとの上記ロイター報道が正しければ、「FA-XX」機種選定結果が間もなく明らかになり、記事でご紹介した米海軍版CCAコンセプト開発契約についても随時情報が明らかになるのでしょう
ちなみに、現在米空軍が進めている「空対空能力」補完に特化したCCA第1弾(Increment 1)に続く、CCA第2弾(Increment 2)に関しても、米空軍は数か月以内に発表するだろうと17日付米空軍協会web記事は報じています。
ただ空軍のCCA第2弾に関しては、前政権時は「電子戦や地上攻撃」追求であったものが、現政権誕生後は「第1弾より低価格で低性能なものを大量に」の方向に変化した模様で、「有人戦闘機第1主義回帰」らしいです
迷走する米海軍のF/A-XX
「FA-XXは実質決定済!?」→https://holylandtokyo.com/2025/09/02/12672/
「間もなく発表⁉」→https://holylandtokyo.com/2025/04/14/11245/
「海軍トップ:選定は予定通り」→https://holylandtokyo.com/2024/10/10/6403/
「企業:海軍から選定計画変更の通知なし」→https://holylandtokyo.com/2024/08/19/6176/
「依然として検討中」→https://holylandtokyo.com/2021/04/06/100/
「米議会がFA-XX構想遅れに不満」→https://holylandtokyo.com/2020/06/30/634/
皆が夢見た・・組織防衛がつぶした無念X-47Bの過去記事
「X-47企業がMQ-25から撤退」→https://holylandtokyo.com/2017/11/02/7124/
「X-47の夢終焉」→https://holylandtokyo.com/2016/02/03/7736/
「組織防衛でX-47妨害」→https://holylandtokyo.com/2015/02/07/8123/
「要求抑制は組織防衛だ」→https://holylandtokyo.com/2014/08/04/8327/
F-47関連の記事
「F-47行動半径はF-22の約2倍」→https://holylandtokyo.com/2025/05/20/11601/
「口社F-47決定に反論せずF-35改追求」→https://holylandtokyo.com/2025/04/25/11392/
「海軍F/A-XXや同盟国との関係」→https://holylandtokyo.com/2025/04/22/11201/
「F-47は優先度低く予算枠外だった」→https://holylandtokyo.com/2025/04/03/11185/


10月17日付米空軍協会web記事は、米海軍のFA-18艦載戦闘機と電子戦機EA-18Gの後継機となる次期空母艦載戦闘機「FA-XX」の機種選定(Northrop GrummanとBoeingが最終候補)結果が発表されない状態の中ながら、FA-XXとコンビを組みことが想定されている海軍版の無人ウイングマン機CCA(Collaborative Combat Aircraft)計画の進捗状況について取り上げています。