全世界でも米空母11隻中で洋上活動は3隻のみの寂しさ
他には南シナ海から退役のため米本土へ移動中の空母Nimitzと
米西海岸沖で訓練中の空母Theodore Rooseveltのみが洋上に
2023年10月7日のハマスによるイスラエル奇襲攻撃以降の緊迫する中東情勢の中で、同空母攻撃群が6月にイスラエルによるイラン攻撃に参画し、最近までイエメンの反政府組織フーシ派との「WW2以降で最も激しい戦い」を、時には空母2隻体制で継続してきたことを考えれば隔世の感がある・・・と報じています
また同時に記事は、米海軍艦艇を支える維持修理体制の弱体化の影響もあり、現時点で米海軍保有空母全11隻の内、空母フォードを含め僅か3隻しか洋上で活動しておらず、内の1隻は2024年10月に約9か月間の中東派遣を終え、乗員の休養と艦艇修理の後に現在サンディエゴ沖で次期展開に向けて訓練中の空母Theodore Roosevelt で、
残りの1隻は、艦載機である1機のF/A-18F Super Hornetと1機のMH-60R Sea Hawkヘリを、南シナ海での個別の事故(現在調査中)で10月26日に喪失した直後で、航空母艦として50年以上の活動を終え退役のため米本土に帰還公開中の空母Nimitzだと取り上げ、Nimitzの交代空母は10月28日に停泊中の横須賀でトランプ大統領と高市首相の視察を受けた空母George Washingtonだろうとしています。
いずれにしても、戦力としてカウント可能なのは保有空母11隻中の3隻のみのだと厳しい状況を指摘し、ガザ地区での不安定な停戦合意状態や、いつ何時不安定化するかもしれないイラン情勢を考えれば、カリブ海への「虎の子」空母攻撃群派遣は、トランプ政権としての相当な覚悟と決断の上になされたものだろうとし、間もなく公開が予期される2025NDS(国家防衛戦略)での「西半球重視」を象徴する判断だと示唆しています
なお同Military.com記事は、空母フォード攻撃群(空母1隻と駆逐艦5隻が主要戦力)に派遣命令が出る前の段階で、既に米海軍はカリブ海に8隻の艦艇(駆逐艦3隻、強襲揚陸艦3隻、巡洋艦1隻、沿海域戦闘艦1隻)を配備していると紹介しています。
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あっという間に進みつつある、2025NDS(国家防衛戦略)で打ち出されるであろう「西半球重視」の姿勢に、ちょっと驚いております。
今後、どんな形で米本土防衛重視が加速されるのでしょうか? 実質的な対中国戦力への影響はどうなるのでしょうか???
緊迫するベネズエラと新NDSでの西半球重視
「最新空母群を中東からカリブ海へ」→https://holylandtokyo.com/2025/10/28/13057/
「3機のB-52爆撃機で威嚇飛行」→https://holylandtokyo.com/2025/10/21/13001/
「麻薬密輸船への米軍攻理論」→https://holylandtokyo.com/2025/10/06/12942/
「新しいNDSでは中南米重視」→https://holylandtokyo.com/2025/09/30/12893/
米海軍の艦艇建造や修理能力が危機的状況
「空母修理遅延の対策検討」→https://holylandtokyo.com/2023/07/27/4836/
「米空母と潜水艦修理の75%が遅延」→https://holylandtokyo.com/2020/08/27/534/
「空母故障で空母なしで出撃」→https://holylandtokyo.com/2019/09/18/6650/
「米艦艇建造や修理人材ピンチ」→https://holylandtokyo.com/2019/07/02/6679/


10月29日付Military.com記事は、10月24日付でヘグゼス国防長官が中東&地中海地域に展開中の空母フォード攻撃群にカリブ海への緊急展開を命じ、ベネズエラへの圧力を強める体制強化に舵を切ったが、この命令により中東及び地中海に展開する空母は「ゼロ」となり、
