米国が初めて核搭載型F-35を4機投入
ただし「毎年恒例の演習で特定国対象ではない」と補足
14カ国から核搭載機の他、電子戦機など71機以上参加
一方で同時に、同演習計画を担当するNATO核政策局長 Jim Stokes 氏は、「特定の国を標的としたものではなく、実際の出来事とも関連していない」、「NATOは責任ある核同盟であることを人々に理解してほしい」、「NATOは攻撃的な行動をとっているわけではなく、無責任な核レトリックを用いているわけでもない」、「関係大衆に対する核兵器運用に関する情報提供を狙いとしている」と説明し、
2月にロシア外務次官が核保有国間の直接的な軍事衝突の危険性が高いと警告し、フランスやロシア等が核弾頭や運搬システムの近代化に取り組むなど、核兵器を巡る緊張が高まっている時期に配慮した演習説明を行っています
ただ NATO核作戦部長Daniel Bunch 大佐は、2021年の同演習参加機数が「数十機」(給油機や電子戦機などの支援機数を含む)で、2022年以降の過去3回の演習に「約60機」が参加した実績に対し、2025年の同演習には 14カ国から少なくとも「71機」が参加すると明らかにし、参加機数が近年で最大規模になるとを明らかにしています
核兵器搭載戦闘爆撃機の参加は(言及があった機体のみ)
・ドイツ・・・3機のTornado
・オランダ・・・F-35
・米国・・・初めて 4機のF-35(以前はF-15E)
主要な電子戦機や援護機など
・ドイツ・・・3機のTornado
・ポーランド・・・3機の F-16
・フィンランド・・・4機のF-18
・スウェーデン・・・グリペン
・その他、指揮統制機、ISR 機や空中給油機(米国など)も参加
同演習用の部隊展開基地
・オランダの Volkel 空軍基地(主要拠点)
・英国の Lakenhe ath 空軍基地(支援部隊拠点)
・ベルギーの Kleine Brogel 空軍基地(支援部隊拠点)
・デンマークの Skrydstrup」 航空基地(その他支援部隊)
また Daniel Bunch 核作戦部長は、13日に全体打ち合わせ会議が開催され、翌14日から実同演習が始まると説明し、今年の演習では、地上の核兵器関連アセットを様々な脅威から守ることに重点が置かれると説明した模様です。
更に NATO核政策局長は、同演習では実弾核兵器は地上での訓練も含めて使用されないが、戦闘機と核任務の資格を持つパイロットが参加して演習を行うと補足説明しています
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なお、NATOのJim Stokes 核政策局長は核保有国フランスに関し、フランスは自国の核戦力をNATOの指揮統制機構や意思決定プロセスから切り離しているため、今演習には参加しないと述べる一方で、フランスと英国間で核協力の強化に関する協議が行われており、安全保障の強化につながるものだと説明したようです。
時期が時期だけに、NATO も慎重に演習を計画しているようですが、参加機数の増加は地域の緊迫感を示しているように思います
Steadfast Noon 演習関連の過去記事
「2022年の同演習」→https://holylandtokyo.com/2022/10/13/3751/
戦術核兵器とNATO核共有とF-35
「F-35への戦術核搭載へ第一歩」→https://holylandtokyo.com/2021/10/07/2313/
「米空軍に追加の戦術核は不要」→https://holylandtokyo.com/2020/12/17/345/
「戦術核改修に1兆円」→https://holylandtokyo.com/2016/10/26/7537/
「F-35戦術核不要論」→https://holylandtokyo.com/2016/08/18/11056/
「欧州はF-35 核搭載型を強く要望」→https://holylandtokyo.com/2016/08/04/11042/
「F-35 核搭載は 2020年代半ば」→https://holylandtokyo.com/2015/09/26/7920/
「F-35 は戦術核を搭載するか?」→https://holylandtokyo.com/2010/07/07/9882/

