戦闘機操縦者育成のメッカ:Luke基地から米軍F-16去る

最盛期F-16飛行隊8個 189機を擁し世界最大の戦闘機基地が
F-35 飛行隊6個を擁する新たな基地へ
42年間で述べ2万人以上のパイロットを送り出し
3月24日に米空軍F-16が同基地を去り一つの時代が終わりを
航空自衛隊の最初のF-35操縦者や整備員が教育を受けた場所

3月26日付米空軍協会 web 記事は、1941年の基地創設以来、米軍戦闘機操縦者養成のメッ力として運用されてきたLuke 空軍基地から、最盛期には8個飛行隊 189機所在した米空軍F-16戦闘機が3月24日を最後に完全に姿を消し、2014年に始まったF-35 操縦者養成飛行隊6個の編制が間もなく完成することで、Luke 基地が新たなスタートを切ると報じています

同基地は創設の 1941年以来、安定した気候を最大限に活用した戦闘機パイロット養成訓練を行っており、P-40、P-38、P-51などのプロペラ機を皮切りに、F-84、F-100、F-4、F-15 などのジェット機時代を支え、1983年にF-16パイロットの訓練を開始したとのことですが、2005年には、同基地でF-16運用を担う第56戦闘航空団が、8個飛行隊 189機のF-16を擁する世界最大の戦闘機部隊に成長します。

同基地でのF-16 基礎コースは37週間に及ぶ教育コースで、その厳しさは戦闘機乗りに選抜された優秀な空軍士官にとっても厳しく、教育責任者は「F-16学生は7か月のコース期間中、継続して膨大な量の講義と資料と試験に圧倒されながら F-16への旅を始める」と表現し、

F-16 操縦訓練コースを題材にした書籍「Eye of the Viper: The Making of an F-16 Pilot」では、「よだれを垂らし、おむつを着けた、間抜けな、戦闘機パイロット志望者が裸にされ、分解され、弾かれ、ストレステストを受けた後、細長い目をした冷酷な殺し屋、バイパーパイロットに再構築される場所」と描かれている場所とのことです

F-16 戦闘機はこれまで 4500機以上が生産され、今なお世界中で3000機以上が現役で、米空軍でも 850機以上が運用されており、「ステルス性のないF-35」と称される「比較的安価な機体に最新技術を搭載した万能作戦機」として、今でも年間約50機が様々にアレンジされ諸外国空軍用に製造されており、最終的に5000機を超えそうな勢いですから、冒頭で紹介した「2万人以上のパイロットを養成」には外国軍操縦者も多数含まれています

今後も米空軍用F-16は、3月24日にLuke基地から姿を消したものの、今後はアリゾナ州Morris 州空軍基地、ニューメキシコ州のHolloman 空軍基地、そしてテキサス州 San Antonio-Lackland 統合軍基地で任務を続けるとのことです

またLule 基地では、米空軍以外のF-16 は引き続き活動を続けます。シンガポール空軍はLuke配備のF-16数機を、今後アーカンソー州に移転するまで数年間維持してパイロットと整備員の訓練を続け、訓練で敵役を務める民間請負業者「Top AceS」も、数機のF-16を引き続き Luke基地で維持する模様です

Luke 基地での42年にわたる米空軍F-16戦闘機の歴史は幕を閉じ、50年以上にわたり世界中の空軍の主力であり続けた F-16の役割も変化していきますが、世界各国での需要が絶えることなきF-16は、部品調達やサプライチェーン等の維持整備上の問題が当面ないこともあり、米空軍が 2060年代までF-16を使用することは確実で、2070年代にも運用している可能性も高いといわれています

B-52爆撃機と並び、F-16の話題になると何となく「筆の滑りが良い」まんぐーすです。

F-16関連の記事の一部
「AI 無人機として総合試験を」→https://holylandtokyo.com/2024/04/26/5788/
「トルコへ最新型売却承認」→https://holylandtokyo.com/2024/02/05/5511/
「最新Block 7は受注130機以上」→https://holylandtokyo.com/2022/12/13/3994/
「2070年代まで」→https://holylandtokyo.com/2021/06/01/1784/
「F-16人気にロッキード笑う」→https://holylandtokyo.com/2020/04/29/739/

日本も9年前からしばらくお世話になりました!
Luke基地で空自F-35の1番機を受領

「日本の整備員が1番機を迎える」→https://holylandtokyo.com/2016/12/04/7451/

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