2024年4月にイラン発射のイスラエル攻撃を迎撃成功
グアム配備の最新型も2024年12月の迎撃試験に成功で
「SM-3 Block IIA」は日米共同開発の成果です
「約1年前まで、SM-3は実戦でその能力を実証したことはなかった」と語り始めた Misty Holmes レイセオン社担当副社長は、「私たちは今、SM-3システムが Combat proven になり、確実に人命を守っていることが証明された新しい世界に生きている」との思いのこもった表現で、まず従来型の「SM-3 Block IB」がフル生産状態で過去最高の納入数を記録したと語り、
更にグアム島に地上の垂直発射管に収めて配備された「SM-3 Block IIA」(日米共同開発の成果物です)が、2024年 12月に空中発射弾道ミサイルの迎撃試験に初成功したことにも言及し、韓国を一例として「SM-3 への世界的な需要が高まっている」、「需要増のシグナル」と表現しつつ、「SM-3 Block IIA」がフル生産体制に近付いていることを強調しています。
重要増への対応策として同副社長は・・・
●アラバマ州ハンツビルで作業中の工場拡張工事により、SM-3の最終組み立て能力を約67%増強するため、170億円以上を投資(ハンツビルは、米陸軍のミサイル関連拠点であるレッドストーン兵器廠の近傍に所在。工場拡張は 2025年末までに完了予定)
●「Block IIA」開発&生産能力増強を優先追求するため、2025年度予算要求で「SM- 3 Block IB」生産終了の予算案を2025年度計画に盛り込み済
●同副社長は更に、需要の増加が「少量の購入要望ではない」と表現し、米ミサイル防衛庁 MDA や同盟国等の要請にこたえ、生産能力向上だけでなく、「生産コストの引き下げにも注力」、更に「感知・識別技術の強化や射程距離の延長など、能力向上の次の段階にも注力」と説明
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大きな投資をして開発された装備品が、実戦でその能力を発揮し、「Combat proven」ステータスを獲得することは素晴らしいことで、日本の防衛にも良いニュースです。
ただ新年早々から下記の記事をアップしてご紹介したように、ミサイル防衛はコスパが悪く、その能力には限界があり、中国のように通常兵器では西側にかなわないことを早期に悟り、臥薪嘗胆、各射程の弾道及び巡航ミサイルの開発・改良・計画的導入を行ってきた国に対しては、端的に申せば「焼け石に水」です。その点は冷静に抑えておく必要があります
Stimsonの中国ミサイル脅威レポート
「日本やグアムの滑走路には期待できない」→https://holylandtokyo.com/2025/01/06/10547/
イランの無人機とミサイルに対するイスラエル防衛戦
「防研がイランとイスラエル攻防を速攻考察」→ https://holylandtokyo.com/2024/04/25/5847/
「出来すぎのイラン攻撃への迎撃作戦概要」→https://holylandtokyo.com/2024/04/16/5812/
迎撃ミサイルやグアムMD整備関連
「ミサイル推進部を3Dプリント大量生産」→ https://holylandtokyo.com/2024/11/21/6492/
「グアム島 MDの初期能力試験を今年後半に」→https://holylandtokyo.com/2024/09/11/6260/
「陸軍レーダー情報で米海軍ミサイルが迎撃」→https://holylandtokyo.com/2024/08/08/6151/

