「ウ」ヘドローンを大量に送り込んだ深セン産業基盤を生かし
多様な無人機の開発導入と戦術改革に挑む様子の一端を
以下では、中国軍がウクライナ戦争の教訓の柱として強く認識している小型で安価なドローン活用をどのように分析し、どのように活用しようとしているかに関し、広くて浅く網羅的に記載した同記事の内容を「ランダムに書き出す形」でご紹介を試みます。
●ウの低価格ドローンを支えた深センの産業基盤活用
ウが使用の低価格ドローンの多くは、深圳の「華強北電子産業の中心地」で製造や部品提供されたもので、強力なドローン産業基盤を持つ中国軍は、小型ドローンによる非対称戦争で優位との認識あり
●中国軍が目指す「情報化戦争」推進の柱
特に、リアルタイムの部隊間データ共有ネットワークにドローンを活用し、AI 駆使で人間の直接介入を要しない精密Targeting とエリア拒否を可能とするシステム構築を狙う。また持続的な監視、戦場のマッピング、間接射撃能力の範囲拡大のためのドローン積極導入を図る。
●習近平も視察の「情報支援部隊」を3軍構成へ改編
教訓からドローン作戦、電子戦、精密標的管理の重要性を再認識した中国軍は、「情報支援部隊」を4月に改編し、航空宇宙軍、サイバースペース軍、情報支援軍の3軍編成とした。 この改編で作戦の機敏さ俊敏さを高めるリアルタイムの情報エコシステムを構築を目指す
●全軍を対象の無人機設計コンテスト開催
中国軍が安価な無人機の設計を競う全国規模のコンテスト実施を最近発表し、自律航行、精密Targeting、電子戦、長距離偵察、群れの制御、兵站支援等の部門でアイデア発掘に活用する模様
●ロシア軍の戦いから西側ハイテク装備への対処学ぶ
電子戦による精密兵器の無効化などの戦術的洞察をロシア軍から学び、ロシアとイランの技術革新を利用して自国の兵器と戦術改良に活用
●地上部隊関連では
・中国軍は、ドローンの部隊導入を地上部隊の殺傷力と生存性のカギと強く認識し、例えば、ドローンによる状況把握で、数的不利状況でもウ軍レオパルド 2戦車部隊への精密誘導攻撃に成功したロシア軍に倣い、戦車搭載のISRドローン開発
・ウ軍が実現した物流、偵察、戦闘への無人車両利用に触発され、物流用無人車両を導入済のほか、市街戦や境界防衛用のAI 標的システムを搭載した武装無人車両の試験や演習での試行運用を並行実施して早期導入目指す
●ドローン攻撃への防御強化のために
戦闘車両をドローン攻撃から防御するウ軍の装甲技術に注目し、レーダーと赤外線センサーを使用したアクティブ防御システムを中国軍最新戦闘車両に装備。また「stand-off armor」や「integrated soft-kill defenses」を開発
●インド軍のドローンや電子戦技術の向上に危機感
ウ軍から学んだインド軍のドローンや電子戦技術の向上を目の当たりにし、中国軍がインド国境付近にドローン指揮通信信号や GPS 信号妨害装置を緊急配備
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記事は最後に、「中央集権的な指揮構造の制約と、実戦経験不足から来る部隊の運用能力の現実を踏まえると、これら革新の取り組みが部隊に普及して定着するかについては疑問が残る」としつつも、「他国の戦争から学ぶ真剣な姿勢が確認できる」と結んでいます
日本でも、「ウ」の教訓分析を受けた様々な「検討」があるのでしょうが、実際に迅速な開発や配備に結び付いたとの事例を聞いたことがありません。予算の運用や装備品導入に関する行き過ぎた文民統制が大きな制約となっている側面もありますが、人や組織の柔軟性欠如も避けては通れない問題です
ウクライナの教訓に関する記事
「空軍輸送部隊の視点」→https://holylandtokyo.com/2024/10/17/6374/
「航空優勢の定義が」→https://holylandtokyo.com/2024/06/07/5938/
「防空兵器消耗戦」→https://holylandtokyo.com/2023/01/27/4220/
「国防副長官の視点」→https://holylandtokyo.com/2022/06/17/3358/
「米陸軍の視点 2」→https://holylandtokyo.com/2023/10/13/5129/
「米陸軍の視点 1」→https://holylandtokyo.com/2022/06/01/3245/
「ウクライナの教訓で大演習」→https://holylandtokyo.com/2022/05/12/3156/
「台湾ケースへの教訓」→https://holylandtokyo.com/2022/03/15/2806/