Aerial Logistics Connector:分散先への輸送目指す
操縦席なくし、前方からフォークリフトで搭載可
25年までデモ飛行、29年末までに製造型決定へ
10月16日付Defense-Newsが、米陸軍協会総会でエアバス社(Airbus U.S. Space and Defense)が公表した、米海兵隊との契約に基づき進めるUH-72 Lakotaヘリの自律型無人バージョン開発について取り上げ、時期非公開ながら既にデモ初飛行を終え、今後海兵隊の運用ニーズへの適合具合や要改善点確認のため2025年までデモ飛行を実施し、その後海兵隊は本計画を誰とどのように進めるか決定するとの同社説明を紹介しています
「Aerial Logistics Connector」と呼ばれる本計画は、本格紛争における分散展開拠点への物流支援能力向上を目指す米国防省計画の一つで、海兵隊はデモ飛行を通じて得た要改善点や必要な要求性能レベルを反映し、2028年か29年に「Aerial Logistics Connector」プログラムの飛行プロトタイプを手に入れ、2029年末までに生産を決定することを目指しているとのことです
初飛行を終えた現時点でのUH-72 Lakota自律型無人バージョンは、操縦席を無くしたスペースも貨物搭載用として活用する設計となっており、機体前方部を開閉し、側面ドアからでは積載困難な標準的な海兵隊貨物大型コンテナや機器をフォークリフト使用で前方から積み下ろしが可能なことを既に確認済みで、更にデモを通じて現場海兵隊兵士の意見も早い段階で聴取開始して現場ニーズに答える体制で臨んでいると同社幹部は説明しています
また同社は、本プログラムがまだまだ設計段階にあり、へりとしてのリスク低減作業段階にあり、自律飛行機能の基礎確立段階にあると表現しつつ、米海兵隊が要求していない有人型や兵器発射能力を求める他の顧客が現れた場合も念頭に、オープンシステムアーキテクチャ方式を基礎としてヘリコプターを改造する可能性にも備えていると説明したようです。
更に同社は、無人自律型UH-72ヘリの完成価格や、標準的な有人Lakotaとの推定価格比較を議論するのは時期尚早だと述べ、同社がこの自律無人型について他軍腫や諸外国と協議したかどうかについてもコメントを控えたようですが、他軍腫や同盟国にも展開可能だと語っています
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当然といえば当然の流れですが、変化への対応に、部隊装備体系の改革に積極的な米海兵隊が先頭に立って取り組んでいる点をご紹介したく取り上げました。
もちろん米陸軍や米空軍でも検討や構想はあるのでしょうが、既存の有人ヘリ部隊への配慮等々もあり、目立った動きがないような気がします。(米海軍は艦艇への端末物資空輸に無人ヘリを導入開始済ですが・・・)
ヘリの将来を考える記事
「ドローンで攻撃へリ撃墜の衝撃」→https://holylandtokyo.com/2024/08/29/6213/
「米空軍の対中国救難検討は引き続き迷走」→https://holylandtokyo.com/2023/05/23/4592/