恐らく価格交渉が難航していたものと推定します
米国含め20番目の亡国のF-35導入国です。
9月13日、米国務省がルーマニアへの F-35A 型戦闘機の32機売却を承認したと発表しました。承認した売却価格は約1兆1千億円で、この価格には各機に1機の予備エンジン(Pratt& Whitney F135 エンジン)の他、各種メンテ&兵站支援、航法・通信および暗号機器、弾薬および武器、操縦者と整備員等の要員訓練、シミュレーターも提供も含まれているとのことです
ルーマニアは、この 32機で始めに2個飛行隊(two squadrons)を編成した後、追加でさらに16機を購入し、第3飛行隊を編成したいと考えている模様ですが、契約が成立すれば、ルーマニアはポーランドとチェコ共和国に続き、東欧諸国で3番目のF-35運用国となり、3個飛行隊を完成させれば東欧最大のF-35 保有国となります
米国務省は承認発表に際し、「米国や他のNATO 加盟国との相互運用性を高めながら、国防と地域安全保障の任務遂行装備を一層充実させることで、現在および将来の脅威に対処するルーマニアの能力を向上させる」と述べ、「NATO 同盟国の安全保障向上は、米国の外交政策と国家安全保障の目標を後押しすることになる」との声明を出しています。
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なおルーマニアは現在、ポルトガルから購入した中古のF-16戦闘機を17機保有し、2022年にはノルウェーから同じく中古のF-16戦闘機 32機を購入する契約を結んだところであり、F-35を 32機も導入&維持&運用する負担は重すぎるのでは・・・勝手に心配になります。
またルーマニアのF-35 導入を後押ししたと推察されるロシアのウクライナ侵略では、無人機が「低高度の航空優勢」を左右し、戦闘機による「中~高高度の航空勢」に関係なく「低高度の航空優勢」が戦い全体を支配している現実を、ルーマニアはどのように解釈して 32機のF-35 購入に向かうのでしょうか・・・。
【ご参考】F-35 導入合意国(カッコ内は購入予定機数)
●共同開発国(8か国) 豪州 (100 機) , Denmark (27), Italy (90), Netherlands (37), Norway (52), # (138). 米国(2443)(空軍 1763、海無隊420、海軍260)、そしてカナダ(88機) トルコも共同開発国ながら、ロシア製SAM 購入で排除
●FMS 購入国(11か国) Belgium (34 機),Israel (19)、日本(42+100),韓国(40)、シンガポール(当面12機最終的に約50機)、 ポーランド(32機 2020年1月)、スイス(32)、そして、フィンランド (64機)、ドイツ(最大35機)、チェコ(24機)、ギリシャ(20-40機)、ルーマニア(32+16 機)
ルーマニアと F-35
「F-35 導入方針決定」→https://holylandtokyo.com/2023/04/18/4519/
最近の亡国の F-35導入決定国
「緊縮財政下のギリシャまで」→https://hoylandtokyo.com/2024/08/14/6168/
「シンガポール追加」→https://holylandtokyo.com/2023/03/10/4343/
「カナダがやっと決定」→https://halylandtokyo.com/2023/01/12/4134/
「チェコが東欧で2番目」→https://holylandtokyo.com/2022/07/25/3492/
「フィンランドが 15番目」→https://halylandtokyo.com/2021/12/14/2520/
「スイスが 14番目の購入国に」→https://holylandtokyo.com/2021/07/02/1976/
「ポーランドが 13カ国目に」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-03
「ドイツも核任務用に」→https://holylandtokyo.com/2023/03/10/4343/
購入拒否された軍事政権&中国接近のタイ
「タイの購入打診は拒否」→https://halylandtokyo.com/2023/05/30/4702/