チェコが東欧で2番目のF-35購入国へ進む

ポーランドに続き24機導入の交渉開始を発表
物価上昇中で早く交渉に決着付けたいと
18番目の購入国になるか。
韓国も追加で20機F-35A導入決定

Cernochova Czech3.jpg7月20日、チェコ共和国のPetr Fiala首相が、現在2027年までリース契約中のグリペンC?D型戦闘機14機の後継として、米国政府と24機のF-35A購入交渉に入ると発表し、交渉役にJana Cernochova国防相を指名しました。また同首相は同時に、スウェーデン製の歩兵戦闘車両導入交渉も進めると語ったようです

Cernochova Czech.jpgF-35購入交渉役のCernochova国防相(女性)は、もし価格交渉で2023年10月までに米側と折り合わなければ候補機種から外し、Typhoonやグリペン能力向上型を指向する旨を示唆したようですが、関連素材や部品価格が上昇を続ける中で、早期に決着したい意向も示したようす。

仮に米国との交渉がまとまれば、2020年1月に32機のF-35購入を表明したポーランドに続く東欧2番目の購入国になり、世界では18番目の、そして欧州では10番目に購入又は具体的な検討表明をした国となります

Rehka Czech.jpgチェコ軍のKarel Rehka参謀総長はF-35Aを高く評価し、「他機種に比べ極めて高性能で、2040年代はおろか、2060年代まで有効だろう」と軍としてF-35を強く希望していることを隠さず、「F-35は多機能戦闘機で、単に戦闘機や戦闘爆撃機としてではなく、戦場ネットワークの指揮統制センターとして機能し、同時に高性能センサーを備えたスパイ機でもある」と表現しています

欧州の軍事情報筋は、ギリシャがF-35購入検討を行っているほか、他の「several」ヵ国の欧州諸国がF-35導入を検討していると、Defense-Newsに語っているようです

F-35 Czech.jpgロッキード社報道官は、「チェコ共和国がF-35に関心を示していただいて光栄である。同国の関心にこたえるため如何なる支援も惜しまない」、「交渉に関する情報は両国政府から提供されるだろう」と述べるにとどめています
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ロシアによるウクライナ侵略を受け、米空軍が2-4機のF-35を欧州に派遣していますが、購入可能性のある欧州諸国にその能力をデモする意図もあるのかもしれません。

F-35 Greece4.jpgただ一方で、末尾の過去記事で取り上げているように、米軍や英軍はF-35維持経費の高止まり等を受け、F-35調達数削減の方向にあることを忘れてはなりません。

なお、韓国は7月15日、従来の40機に加え、追加で20機F-35Aを調達することを決定しました

F-35導入を決定又は具体的協議表明した国(カッコ内は購入予定機数)

●共同開発国(8か国とその他1国)
 豪州(100機), Denmark(27), Italy(90), Netherlands(37), Norway(52), 英国(138)、米国(2443)(空軍1763、海兵隊420、海軍260)、そしてカナダ(交渉がまとまれば88機
トルコも共同開発国ながら、ロシア製SAM購入で排除された

●FMS購入国(9か国)
Belgium(34機), Israel(19), 日本(42+100) , 韓国(40機。追加20機を2022年7月決定)、シンガポール(当面12機 最終的に約50機) ポーランド(32機 2020年1月)、スイス(32)、そして、フィンランド(64機)、ドイツ(最大35機)

●欧州だけピックアップすると・・・
Denmark(27), Italy(90), Netherlands(37), Norway(52), 英国(138)、Belgium(34機)、ポーランド(32機 2020年1月)、スイス(32)、そして、フィンランド(64機 2026年から導入)、ドイツ(最大35機)、チェコ(交渉まとまれば24機)、ギリシャも交渉中とか・・・

最近のF-35購入決定国
「カナダがF-35を88機の1番候補に」→https://holylandtokyo.com/2022/03/31/3061/
「ドイツが戦術核運搬用に16番目」→https://holylandtokyo.com/2022/03/16/2920/
「フィンランドが15番目」→https://holylandtokyo.com/2021/12/14/2520/
「スイスが14番目の購入国に」→https://holylandtokyo.com/2021/07/02/1976/
「ポーランドが13カ国目に」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-03

F-35調達機数削減の動き
「米海軍が2023年度予算で調達抑制」→https://holylandtokyo.com/2022/07/07/3420/
「米海兵隊も削減示唆」→https://holylandtokyo.com/2022/01/17/2586/
「米空軍2025年に調達上限設定を」→https://holylandtokyo.com/2021/09/09/2184/
「英国は調達機数半減か」→https://holylandtokyo.com/2021/03/31/174/
「民間監視団体がF-35改善なしと」→https://holylandtokyo.com/2022/03/25/2933/

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