米空軍新兵教育で訓練用M4小銃の常時携行が復活

2012年に中止以来、12年ぶりに小銃携行を習慣化
「戦闘員の心構え」を養うための復活
訓練用M4で実弾発射はできない小銃で

BMT M4 4.jpeg今年7月下旬から米空軍の新兵基礎教育課程(7週間半)で、新兵教育部隊に入隊した新人兵士は、「戦闘員の心構え」を養うため、実弾発射が不可能な訓練用ながら、最新式の小銃M4ライフルを基本的に常時携行して教育期間を過ごさせることに変更した模様です

新兵の初期導入教育期間に、室内教育で座学を行う際にも小銃を携行させ、就寝する際にもベット脇の各自のロッカー内に自身の装備品として小銃を管理させる「小銃ライフルを常時携行」方式は、2012年に一度廃止された様ですが、米空軍全体で戦闘部隊を中心に「即応態勢維持」を重視する方針を米空軍改革の柱にAllvin空軍参謀総長が掲げたことを受け、12年ぶりに復活させたとラックランド空軍基地第737教育訓練群司令官のBilly Wilson Jr大佐は説明しています

BMT M4 3.JPG「小銃ライフルの常時携行」を中止していた過去12年間においても、7週間半の新兵教育課程(BMT:Basic Military Training)では、入隊後の最初の週に兵士としての心構えを躾ける一環として、小銃の基礎教育を行い、第2週目には小銃射撃を実施させていたようですが、常に身近に武器を置くことで「武人の魂」を養おうとの発想です

ラックランド基地の教育部隊で「常時携行」を復活させて約3週間が経過したところですが、前述のWilson教育訓練群司令官大佐は、訓練を受ける新入隊者と教官の両方から本方式に対して肯定的なフィードバックを得ていると語っています

BMT M4 M16.jpgちなみに、この新兵教育課程BMTにも、2019年からM16ライフルに代り、同じ5.56㎜弾を使用しながらも、より全長が短く軽量で、照準スコープや暗視装置が装着しやすいM4ライフルが導入されています。なお、M4 の操作訓練を受けると、自動的に M16ライフルも使用可能な許可される(逆は不可)とのことで、海兵隊も2016 年から基礎教育プログラムでM16 から M4 に使用小銃を切り替えたとのことです。
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米空軍全体で戦闘部隊を中心に「即応態勢維持」を重視する方針が示され、その波に沿って基礎教育期間でも変化が見られるということです。効果のほどは何とも言えませんが、軍隊あるあるの精神重視改革です

BMT M4 2.JPGM4ライフル導入が進む様子をお伝えしましたが、米陸軍の近接戦闘職種である「歩兵」「特殊部隊」「combat engineers」「空挺」部隊や一部海兵隊部隊では、より威力を強化した新開発の6.8㎜弾薬を使用するM7ライフルとM250機関銃の導入が始まっています。(近接戦闘職種以外は引き続きM4を使用)

M4からM7への変更背景は、最近の戦訓から、最新の防弾チョッキを貫通可能で、5.56㎜弾薬では対処できない簡易陣地を構築するレンガブロックを破壊可能な威力、更に遠距離での威力や照準性能向上が必要と判断されたと言われています

米陸軍一部はM4からM7ライフルへ移行開始
https://holylandtokyo.com/2023/12/27/5379/

米空軍が大改革アクション発表
「大改革の概要発表」→https://holylandtokyo.com/2024/02/16/5579/
「改革の目玉ICCコマンド」→https://holylandtokyo.com/2024/05/23/5873/

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