対中国「Stand-In」戦力の海兵隊や第7艦隊大歓迎
日本にも昨年9月MarinerとRangerが寄港
今後は何を搭載しシステム連接をどうするか精査
1月16日、米海軍の無人水上艦艇導入担当Jeremiah Daley中佐が記者会見し、2022年8月7日から2024年1月15日までの間、アジア太平洋軍担当エリアに約5か月間試験展開していた4隻の無人艦艇(USV:Unmanned Surface Vessel)が、ほぼ完全自立運航モードにて4隻合計約47000NMの航海(各艦艇が約50日間の水上運用実施)を経て、日本と豪州にも寄港し、(恐らく出発地のSouthern Californiaの基地に)帰還したと成果を語りました
4隻は、主にDARPAが開発主導の「Sea Hunter」「Sea Hawk」(全長約40m 140トン級)と、国防省Strategic Capabilities Office主導の「Mariner」「Ranger」(全長60mで複数コンテナ搭載可)で、
・「Sea Hunter」「Sea Hawk」は、入出港時の有人操作用装置が狭いエリアにあるだけで、無人運用が基本ベースの構造
・「Mariner」「Ranger」は、大部分を自立航行するが、有人運用も可能な構造とスペース確保・・・となっています
5か月間の航海は、加州Port Huenemeに所在する「Unmanned Operations Center」または、他の水上艦艇からUSVの運行状況を監視&コントロール形式で実施され、試験航海中には、USV監督運用要領の試行(様々な監視&操作人数、管制用コンソールの使用台数、監視&管制人員あたりの監視対象隻数のデータ収集等々)が行われたとのことです
今回の5か月間は基本的な航海に関する確認が多かった模様ですが、今後は米海軍が最も重要と考える、「USVに何を搭載するか?」「どのようにセンサーやShooterと連携させるか?」「今後全ての水上艦艇に搭載予定で開発中の「Integrated Combat System」のUSVでの活用法」などが焦点となる試験や試行が予定されているようで、
今回も米太平洋軍の「PACOM Joint Fire Network」との連接も試みられたようですが、僅かに「Mariner」が「virtualized Aegis Combat System」を搭載して使用したとDaley中佐が触れただけで、4隻のUSVが5か月間に何を搭載して試験運行したかには同中佐は言及を避けたとのことです
今回4隻のUSVを試行的に受け入れ、試験に協力したアジア太平洋軍の米海軍第7艦隊や米海兵隊第3海兵遠征軍関係者は、将来の活用法や運用要領に関する想像を「興奮しながら」膨らませたとDaley中佐は記者会見で説明し、
「特にStand-in Forceとして活動する海兵隊の着上陸作戦部隊や関連する第7艦隊関係者からは非常にポジティブな反応が得られ、様々な参加メンバー間のsynergyとenergyを生み出しながら、多くの将来に向けての発展的な提案や改善意見を得られた」と説明しています
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人不足が大きな問題となっている昨今、日本や海上自衛隊でも積極的にUSV(Unmanned Surface Vessel)導入を検討してはどうでしょうか? 空では既に「RQ-4」や「MQ-9」などが三沢や鹿屋基地等を拠点に日本周辺を飛び回っているのですから、艦艇分野での遅れが目立つような気がします
米海軍の無人艦艇を巡る動向
「中東から西海岸までの航海」→https://holylandtokyo.com/2021/06/22/1908/
「海軍の無人システム計画が議会から猛批判」→https://holylandtokyo.com/2021/03/30/173/
「21年初に本格無人システム演習を太平洋で」→https://holylandtokyo.com/2020/09/18/483/
「Sea Train:無人艦艇を電車のように連結」→https://holylandtokyo.com/2020/06/12/622/「潜水艦も無人化を強力推進」→https://holylandtokyo.com/2020/06/04/614/
「空母2隻削減と無人艦艇推進案」→https://holylandtokyo.com/2020/04/23/733/
「CSBA:大型艦艇中心では戦えない」→https://holylandtokyo.com/2020/01/14/865/