対中国の西太平洋での分散&機動運用に備え
大規模な輸送よりも日々の作戦を支える役割を
Force Design 2030の最新改定版で方向決定
6月28日付Defense-Newsは、米海兵隊が西太平洋での対中国本格紛争に備え、3年半前作成の海兵隊将来構想「Force Design 2030」を5月にアップデートし、分散運用構想「Distributed Maritime Operations Concept」を支える装備品の海洋事前集積や輸送船のあり方見直しに着手したと伝えています
同日行われた海兵隊イベントで関係海兵隊幹部は具体的に、現在の海兵隊輸送の主力である「Large, Medium-Speed Roll-on/Roll-off ships」を、より小型で小規模な島々の港湾施設で利用可能なMPS(X)「next-generation maritime pre-positioning ship」に置き替えるため2030年前後の運用開始を目指し、
また、最近まで将来の小型の補給艦「Next-Generation Logistics Ship」と呼称されていたものを、「Light Replenishment Oiler」として具体化し、2026年に調達フェーズに入る計画に着手していると語っています
米海兵隊は26日の週にハワイで関連の机上演習を実施し、西太平洋で日々の分散&機動作戦構想を兵站面で支える「Global Positioning Network」構想やMPS(X)の運用について検討した模様で、大型輸送&備蓄艦艇より、小回りが利き貧弱な港湾施設しかない分散運用先での部隊支援に、現在より小型の艦船が不可欠だと改めて確信した模様です
小回りが利き、小さな港湾施設でも利用可能なほかに、小型艦艇による小分け輸送は、敵の攻撃部隊の目標照準を困難にし、輸送任務成功確率向上に貢献するとも分析されており、今後1年以内にMPS(X)要求性能を固め、2030年前後に運用開始したいと関係者が28日に語った模様です
米海兵隊のMPS(X)担当者によれば、従来の「海洋事前集積船」のイメージと、前線部隊への日々作戦で必要な物資を直接輸送する海洋輸送力を併せ持ったアセットがMPS(X)だそうで、この辺りも我々傍観者に発想の転換を迫るものとも言えます
まんぐーすにとっては、MPS(X)や「Light Replenishment Oiler」は初めての言葉ですが、その狙いとすることは明確で当然であり、米海軍艦艇の稼働率低下で海兵隊の作戦運用が制約を受ける厳しい現状(スーダン脱出作戦での海兵隊派遣断念事例など)を打開すべく、スムーズな構想実現を期待したいと思います
米海兵隊関連の動向
「次期司令官は改革派」→https://holylandtokyo.com/2023/06/06/4711/
「沖縄海兵隊4千名転進先」→https://holylandtokyo.com/2023/02/01/4230/
「ハワイに新MLR部隊」→https://holylandtokyo.com/2022/08/19/3546/
「Stand-in Force構想」→https://holylandtokyo.com/2022/05/25/3264/
「Force Design 2030構想」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-25
米海兵隊は次の事前装備集積船を小型化へ
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