最近数か月で急速に機運が高まっているようです
開催中のRed Flag演習で豪空軍E-7をじっくり吟味するとか
1月27日付米空軍協会web記事が、最近数が月で米空軍内でE-3後継機としてE-7を早期に取得するべきとの機運が高まっていると報じ、1月27日から開始されている「Red Flag演習」で豪空軍E-7をじっくり吟味する等の米空軍幹部の発言を紹介しています
米空軍はE-3を約35機保有していますが、その平均年齢が43歳と老朽化が進んでおり、ペンタゴン勤務経験の無い太平洋空軍司令官は2021年2月に「すぐE-7が欲しい。空軍司令部に要望する」と発言し、Brown空軍参謀総長が「検討中であり。具体的に機種を議論する段階にはない」と即座に声明を出して火消しにかかるなど、投資優先順位が絡んだワシントンDCの世界で、立場が微妙な装備です
一方、剛腕で知られるKendall空軍長官は昨年12月に「米空軍7つの優先事業」を語り、「E-7などは、宇宙アセットが利用可能になるまでのギャップを埋めるが、空中アセットはE-3やJ-8をはじめ敵攻撃に脆弱で、長期的には使用が難しくなる。敵は我のこれらアセットへの攻撃能力を重視している」と表現し、E-3後継機を当面の「ギャップを埋める」役割と位置付けています
米空軍内に最近数か月で何が起こったのか記事は語っていませんが、米空軍幹部の発言等をご紹介しておきます
1月27日付米空軍協会web記事
●1月24日から2月11日までネバダ州で開催中の「Red Flag演習」に豪空軍E-7が参加していることに触れ、「Air Warfare Center」司令官Case A. Cunningham少将はオンラインイベントで26日、「我々がインド太平洋地域で対峙している脅威を考える時、同盟国の高い能力を持つアセット(E-7)と共に訓練できることは非常に素晴らしい」と述べ、
●「本演習ではF-35やF-22も参加し、強固に防御された戦域での作戦を想定しているが、その環境下でE-7の能力を確認できることは、米空軍アセットへのE-7導入を検討するにあたり、貴重な機会となる」とも表現し、「E-7の米空軍への導入」との言葉を使った
●昨年2月には太平洋空軍司令官が「E-7がすぐにでも欲しい」と述べ、その際空軍司令部は慎重姿勢だったが、昨年9月にBrown空軍参謀総長は「E-7は良い機体で、私は何回も搭乗している。一から開発するより迅速で確実だ」と語っていた
●また米空軍は昨年10月、E-7製造元のボーイングに対し、現在の形態のE-7を米空軍の規格に適合させるために何をどのくらいの経費で実施する必要があるかの検討を依頼している
●空軍戦闘コマンドのMark D. Kelly司令官は同時期に、E-3後継機の導入は「2年前に完了しておくべきだった」と発言し、物議を醸していた
●なおE-7は、欧州のほか、英国、韓国、トルコが導入することになっている
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完全な邪推ですが、空軍長官や空軍参謀総長は長期的な投資優先順位を考えE-7導入に慎重だったが、前線を預かる戦闘機乗り司令官からの目先を見据えた強い要望を受け、「この部分では妥協した」のではないでしょうか・・・
あともう一つ、米空軍がE-7導入に進むことにより、航空自衛隊が保有するE-767の「部品枯渇」や「整備支援停止」につながるのではないかと懸念しています
E-3 AWACSは平均年齢43歳です
「米空軍航空機は依然高齢です」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-11-27
「空軍長官が7つの優先事項を語る」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-12-12
「PACAF司令官:E-7ほしい発言」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-02-27