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正確には「予備的な未確認空中現象アセスメント」
2004年以降の144件について調査
確実に存在し、安全保障上の脅威と認定
引き続き謎が多く、国防省内に継続調査&データ収集を指示
6月25日、米国政府情報機関の元締めDNI(Director of National Intelligence)が、UAP(俗称UFO、未確認空中現象:unidentified aerial phenomena)に関するレポートを公表し、バールーンだと判明した1件を除き、「質の高い報告」が限定的なため断定的な結論には至らないと述べつつも、信頼に足る複数のセンサーで同時に補足されているUAPが相当数あり、飛行安全上の問題や安全保障上の脅威となりえるとレポートしています
本レポートは2021年国防授権法に基づき米議会から要求されたもので、米国政府系の各種情報機関が保有している2004年以降に記録されてた144件の事象について精査したものですが、レポートのタイトルが「予備的な未確認空中現象アセスメント:Preliminary Assessment・・・」となっているように、DNIはより体系的で組織化された情報報告と分析継続の必要性を最後に提言しています
この提言部分を受け、Kathleen Hicks国防副長官は同日午後、現在国防省内の特別チーム「Unidentified Aerial Phenomena Task Force」が行っている関連調査を、正式な国防省と米軍の任務として位置付け、組織的な取り組みとする計画作成を省内に命じたようです
以下では、25日付Military.com記事や現物レポートから、レポート概要をご紹介します
25日付Military.com記事等によれば同レポートは
●分析対象となった144件の事象の多くは、米軍航空機搭乗員や信頼できる各種センサーによって観測されたものである。きちんと整理された報告が限られているため精査が困難であるが、以下の5つのどれかに当てはまると考えられる。
●5分類とは、大気中に漂う単なる物体、何らかの大気中の自然現象、米国政府または米国企業の開発中物体、敵対的な他国のシステム、その他の様々な物体(a catchall “other” bin.)の5つである。
(「extraterrestrial」地球外との表現は一度も使用されていない)
●144件の事象の内、80件は目視も含め複数のセンサー(レーダー、赤外線、電磁センサーや兵器のシーカー)で探知&追尾されており、その点でUAFは大部分が実態として存在する物体だと考えられる
●いくつかの限られたケースでは、UAPが普通は考えにくい飛行パターンを示している(空中で静止、突然の急激な移動、推進装置の存在が確認できない高速移動など)が、観測センサーや目撃者の誤認識の可能性も残されている
●また、幾つかのケースでは、UAP目撃箇所で無線周波数出力が確認されている
●報告された事象には、米軍の演習場や試験エリア周辺のものが多いが、これは最新のセンサーが同エリアに集まっていることや、人間の注目程度が高いエリアだからだろう
●UAPが中国やロシア等が開発した未知の技術に立脚したものの可能性や、米国内の極秘プロジェクトに由来する可能性もあるが、確証が得られたものはない
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9ページの同レポート現物
→https://www.dni.gov/files/ODNI/documents/assessments/Prelimary-Assessment-UAP-20210625.pdf
Hicks副長官は上述の指示文書で、「全ての米軍航空機搭乗員や関係者は、軍事訓練や作戦の妨げとなる全ての航空機や他の物体について報告しなければならず、これにはUAPも当然含まれる」と指示し、継続的な情報収集を行う姿勢を示しています
ちなみに米議会から要求の本レポートですが、DNIはレポートの締めを「Some of these steps are resource-intensive and would require additional investment」と「予算よこせ」メッセージで結んでいます。当然ですね。
続々とUFO調査の指示が・・・
「米国防省監査官が省内のUFO対応を調査へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-05-05
「国防省等の米国情報機関が公式UFO報告書作成へ」→https://holylandtokyo.com/2021/01/07/293/
「英国防省:地球外生物ETは存在しそうもない」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2013-06-22-1