臨時国防長官Christopher Miller氏はどんな人?

年初には次官補代理だった人物が臨時国防長官に
本来なら副長官が臨時長官職に就くべきと異論噴出中ですが
Trump Esper.jpg9日、トランプ大統領がツイートで、エスパー国防長官を更迭し、2020年初には次官補代理だったChristopher Miller国家対テロセンター長(上院で全会一位で承認、8月に就任したばかり)を臨時国防長官に任命すると発表しました。
Miller2.jpgChristopher Miller氏は2014年に米陸軍を退役(おそらく中佐)した人物で、軍退役後7年以上経過が国防長官就任の条件であることから正式な国防長官には就任できませんし、法的には上院で承認されているDavid Norquist国防副長官が臨時長官に就任するべきだとの異論も各所から出ていることから、ゴタゴタしそうな雰囲気です
ですが、今年年初には国防長官から4階層下の次官補代理だった「対テロ特殊作戦」の専門家が、1月までの短期間とは言え国防長官職に任命されたので、少ない情報からご紹介しておきます
米国防省サイトに残る次官補時代の経歴表等からすると
Miller.jpg1965年10月15日生まれ(55歳)でアイオワ州アイオワ市育ち。地元の高校卒業後、1983年に下士官として米陸軍予備役及びワシントンDC軍警察に入隊する
ジョージワシントン大学をROCTコースで卒業(首席で卒業、歴史学の学士)後、1987年陸軍歩兵部隊士官に任官、その後特殊作戦部隊に移り、第5特殊作戦群で多様な指揮官や幕僚職を経験する
2001年にアフガンで初実戦、2003年にはイラクにも展開、その後も中東地域に何度も派遣され、他機関や他軍種と連携しつつ特殊作戦の経験を積む
2014年に第5特殊作戦群第2大隊長か同群主要幕僚で退役(大佐:50歳)し、その後2年間は秘密の特殊作戦に関わる民間軍事会社に所属し、国防省の政策次官等をその専門知識で支えた
2018年から2019年の間、国家安全保障評議会NSCの対テロ担当上級部長と大統領特別補佐官を務めた
2020年1月から特殊作戦及び対テロ担当の国防次官補代理、その後時間を置かず、特殊作戦担当次官補に昇進
Miller4.jpg2020年8月から、国家対テロセンター長(Director of the National Counterterrorism Center)を務めていた
米海軍大学指揮幕僚大学卒で国家安全保障の修士号を得、米陸軍大学の上級指揮官コースも卒業している
奥さんと成人した娘が2人、大学生の息子一人
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急遽充実されたMiller氏のウィキペディアページ
→https://en.wikipedia.org/wiki/Christopher_C._Miller
国防長官を政権移行期間に入るこのタイミングで「更迭」することにも批判噴出中ですが、対テロから中国ロシア対処に転換を図る過程にある米国防省のトップに、「対テロ」専門家の退役中佐が実質4階級特進で就任することに興味津々です
50歳で大佐で退役していたのなら、Miller氏は、軍人として「出世街道」とは別のその道の専門家的な道を歩んだ人物です。
エスパー長官、お疲れさまでした。
国防省職員や米軍兵士に宛てた最後のメッセージ紹介報道

→https://www.military.com/daily-news/2020/11/09/heres-secdef-mark-espers-final-memo-pentagon-staff.html
「死に体:エスパー国防長官と後任候補」
→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-10-31
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