B-767やB-777でDARPAと共に科学的検証
患者の横に座っても54時間飛行して感染量に達する程度
他に考慮すべき要因も残っているが
15日、米軍輸送コマンドがDARPAや民間企業等と協力して実施した大型旅客機での「コロナ感染リスクテスト」結果を記者団に発表し、旅客機の優れた換気能力とフィルター性能により、「浮遊飛沫:airborne particles」は6分以内に除去され、エコノミー席の隣に感染者が座っていても、54時間機内に滞在しないと感染につながるウイルス量を吸引することにはならない等の分析結果を明らかにしました
試験は、兵士の空輸を担う米軍輸送コマンドが資金を出し、DARPA、米空軍輸送コマンド、民間企業「Zeteo Tech」「S3i」、ネブラスカ大学が協力して、8月24-31日の間に米軍兵士の輸送に使用頻度が高いボーイング767-300 と777-200旅客機を使用して行われ、地上と飛行中のデータを収集したとのことです
乗客が機内を動き回ったり、会話したり、激しく咳き込んだりすることまでは想定していない実験だったようで、この点は今後の研究に委ねたいとの米輸送コマンドの姿勢ですが、一般のイメージとは異なり、旅客機の換気・空気清浄能力は一般家庭の15倍程度と極めて高く、実験結果もそれを証明したということで、科学雑誌への投稿と記者発表を急遽計画したようです
まだまだ詰めるべき点があるとは思いますが、「揚げ足取り」の日本のTVワイドショーや野党の話にうんざりしている中、地道に科学的な検証を行った米輸送コマンドや関係機関の皆さんの努力を讃え、厳しい状況にある航空業界の皆様へのエールの意を込め、発表概要をご紹介いたします
15日付Military.com記事によれば発表概要は
●15日明らかにされた米軍主導の研究によれば、大型の民間旅禍機内でコロナに感染するリスクは相当低い模様で、旅客機の高性能換気・空気浄化システムにより、どの座席に座ってもその程度に差はない模様である
●ボーイング767-300 と777-200旅客機で行われた実証試験では、機体内は空気が下に流れて換気浄化装置に集められるようになっており、「浮遊飛沫:airborne particles」の機内滞在時間を局限する役割を果たしている
●実験では、飛沫にDNA識別可能な処置を施し、2-4分間おきに300回飛沫を機内に放出した。B-767では機内3か所で、B-77では4か所で飛沫が放出され、特別センサーでリアルタイムでその拡散状況がモニターされた。
●また機内座席には、マスクをしたマネキンと着用しないマネキンが置かれ、呼吸や咳の調査に使用された
●機内で飛沫は急速に除去され、6分以内にセンサーで検知されなくなった。同様の試験を一般家庭で行うと、約90分間空気中に漂っていることから、旅客機内は一般家庭の15倍の換気浄化能力がある換算となる
●この飛沫滞留時間を感染可能性で見てみると、B-777のエコノミークラスの乗客で隣席にコロナ感染者がいたとしても、54時間機内滞在していないと感染に至るウイルスを吸引できないこととなる。また感染者が機内の隣のキャビンにいる場合だと、100時間以上必要な計算になる模様
●また研究は、マスク着用の重要性を改めて指摘し、マスクをしている感染者が咳をした場合、多くのケースで95%以上飛沫拡散が抑制されるとの結果をまとめている
●更に、飛沫が機内の乗客が接触しやすい座席等の表面に蓄積される状況についても分析が行われ、絶対量は小さいが、座席のひじ掛け部分に比較的残りやすく、垂直なモニター画面や座席の背もたれはより少ないとの結果が出ている
●一方で研究に関するいくつかの注意喚起も行っている。研究が乗客が機内を自由に移動することや、相互に会話することについては研究想定に含まれていないこと、更に機内全体の換気状況については上記条件で散布された「浮遊飛沫:airborne particles」に関し行われ、乗客の咳や激しい呼吸は想定していない点を今後の課題だと明確にしている
●今後この研究成果は他の関連研究者のレビューを経て、科学雑誌に投稿掲載される方向で、米輸送コマンドはこの成果が更なる研究の基礎となり、より適切なコロナ対策や国民の理解につながることを願っている
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欧州などでは、春の感染の山を上回る勢いで感染者が急増し、フランスが再び夜間外出制限を導入するなどコロナの影響は衰える気配を見せません。
そんな中ですが、これまでの経験を蓄積して、少なくとも日本では旅行や外食が少しずつ可能になり始めています。
今の世界に、旅客機に乗っていきたい場所があるわけではありませんが、福島原発の「処理水」と同様に、マスゴミや野党やパヨクに騙されず、正しい知識が普及することを願う次第です
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