米国防次官:中国の超超音速兵器には同盟国の協力が鍵

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3月頭の話ですが
日本も逃げられない運命です
どれぐらいコスト負担を覚悟なのか気になります

Griffin DOD.jpg3月4日、米国防省のMike Griffin技術開発担当次官が講演し、冷戦後に油断した米国は、中国やロシアの追い上げにより「Great Power Competition」を戦う準備に取り組まざるを得なくなった現実を受け入れるべきと述べ、特に宇宙アセットの脆弱性克服や根本的変革が超超音速兵器対処に不可欠だとし、この改革には同盟国が大きな役割を果たすと期待とも圧力とも取れる発言をしました

講演前半の情勢認識の部分は悲壮感にあふれ、米国の不適切な軍事技術投資が将来の米国優位を危うくし、同時に宇宙分野を例として、新思考を求める声が高まる中でも旧態然とした方向に向かう傾向が見られると語り、またこのような変化の必要性を国家に理解させることにも大きな困難を伴うと現状を訴えています

hypersonic china3.jpg具体的に同次官は低高度軌道LEOに集中する少数の多機能で高価な人工衛星依存の現状を問題視し、多様な軌道に分散配備する多数のシンプルな衛星全体で機能を支える体系への変換の必要性を主張し、特に探知追尾手段がなく大きな問題となっている中国の超超音速兵器に対して早急な対応が必要だと述べました

そしてこの変革に必要な技術開発には、同盟国が大きな役割を果たすと言及し、具体的な国名は挙げませんでしたが、「自由」「民主主義」「法による支配」といった根本的な西側の価値観を守る戦いだと訴え、技術協力を同盟国に大いに期待すると語っています

5日付米空軍協会web記事によれば同次官は
●(ワシントンDCで開催されたMcAleese and Associates conferenceで、)米国は、中国やロシアなどとの「great power competition」から逃れることは出来ないから、このために戦力等の再構築に真剣に長期間掛けて取り組む必要がある
米国は冷戦での勝利で満足し、リラックスしてしまった。勝利以降、21世紀における軍事技術優位を維持するための研究開発を適切に行ってこなかった。しかし敗者は復活を期し、再挑戦していたのだ。

hypersonic china.jpg中東での戦いは重要だが、(米国の)生存を脅かすものではない。米国は、その生存を左右する最新の一歩先を行く技術開発への投資をあまりにも絞りすぎている。この間に中国とロシアは、米国を出し抜く機会を生かしたのだ
これらの国は西側の価値観を尊重しない。「自由」「民主主義」「法による支配」「個人の財産権」「移動の自由」「自由な市場」などといった根本的な西側の価値観を共有するつもりがない

我々は「Great Power Competition」に直面している現実を受け入れる必要がある。ただ、この現実を国家に理解させることは容易ではない。しかし私は米国が変化できると考え、この仕事を引き受けたのだ
新たな脅威への対処を考える時、米国は宇宙アセットを再考する必要がある。敵の装備や動きから考えると、米国の軍事作戦遂行の全てを支える我々の宇宙アセットは、何よりも打たれ強く強靭でなければならない。

現状では、低高度軌道LEOに集中する少数の多機能で高価な人工衛星に依存しており、敵からすれば格好の攻撃目標となっている。敵に我々が脆弱だと思わせてはならず、多様な軌道に分散配備する多数のシンプルな衛星全体で機能を支える体系へ変換し敵に安易な目標を提供してはいけない
中国の超超音速兵器(hypersonic weapons)脅威は現実のものであり、その脅威は増加している。我々は同兵器1発や2発の飛来ではなく、同時多数の攻撃に備えなければならないが、この兵器は従来兵器の20倍探知追尾が難しい。我々の衛星赤外線追尾システム(SBIRS)を持ってしても困難である

Griffin.jpg●探知追尾できなければ対処できないが、敵の容易な攻撃目標になるような巨大な地上レーダーに頼るわけには行かず、我々には宇宙アセットを活用する道しか残されていない
この道を追求する技術開発には、同盟国が大きな役割を果たす。我々西側の価値観を守るため、米国は孤独な戦士である必要はなく、「full and open partnerships」を求める必要がある。我々は関連の多くの技術分野で同盟国と協力を行っており、細部に言及できないが、極めて有効であり、この協力なしには成功はない
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超超音速兵器(hypersonic weapons)が一発「おいくら万円」か把握していませんが、Griffin次官が追求する探知追尾システムと迎撃システムを整備すると「おいくら万円」必要なのかがとっても気になります。

同兵器1発の防御のために、100倍の投資が必要・・・なんて試算が出てきそうな雰囲気がしますGriffin次官は昨年10月、空母1隻と同価格で購入可能なミサイル2000発のどちらが有効か問題提起するような率直な人物ですので、そのあたりの経費感覚はお持ちだと思いますが・・・

それにしても、米国防省高官が、普通に中国やロシアに「出し抜かれた:steal a march」と発言するようになりました。もちろん増加する気配の見えない国防費への危機感を訴えるためでもありましょうが、実態面での危機感も相当なレベルにあると感じます

コロナが深刻になる前の講演ですが、コロナによって、米国が中国より大きな打撃を受けないか心配です

Griffin次官の刺激的発言
「ミサイル2000発と空母1隻の有効性比較」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-10-20
超超音速兵器の関連
「ロシアの対艦超超音速ミサイル」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-21
「プーチンが超超音速兵器を大自慢」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-12-26
「米議会で中国抑止を考える」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-17
「CSBAが提言:大型艦艇中心では戦えない」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-10
「米空軍も取り組み本格化」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-06-16
「ミサイル防衛見直し発表」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-01-19
「ロシアが超超音速兵器試験に成功」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-27
「日本に探知追尾レーダー配備?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-24
「LRDRレーダー開発が順調」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-10
「グリフィン局長の発言」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-09-08-1
「米ミサイル防衛の目指すべき道」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-12
「BMDRはMDRに変更し春発表予定」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-24-1
「米空軍が1千億円で」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-21-1
「同兵器は防御不可能」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-21-1
「ロシアが新型核兵器続々開発と」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-03-1
「中国が超超音速兵器で優位」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-27-1

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