KC-46にまた最重大不具合:今度は燃料漏れ

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2019年7月発覚の問題が今頃カテゴリー1に
修理専門工場で10日で修理可能と言うも・・
これまでに16機で同不具合発見

KC-46 2.jpg3月30日、米空軍はKC-46A空中給油機で新たに「Category 1」(不具合の中で最も重大な区分)が見つかったと発表し、燃料漏れだと明らかにしました

これまで散々KC-46の不具合についてはご紹介してきましたが、固定開発費契約でボーイング社が約5500億円で請け負ったものの、既にボーイングの追加持ち出し経費が3800億円を超えたといわれる問題児となっており、B-737Max墜落事故による生産停止で6兆円以上の公的資金投入をトランプ大統領に泣きついたと言われる同社に、更に塩を刷り込む状態になっています

KC-46は他にも3つの「Category 1」が
給油操作員が映像カメラを通じて給油操作を行うRVS(remote vision system or RVS)が、太陽や照明の位置によっては、現場の様子が正確に操作員から視認できない不具合で、空軍参謀総長とボーイングCEOが直接会談してまで早期解決を目指しているが、結局2023年以降にしか解決しないことが明らかになっている
KC-46 RVS2.jpg上記RVSの不具合から、給油ブームで給油相手機に「引っかき傷」をつける事象が多発し、特にステルス塗装へのダメージが問題になっている。上記RVS問題解決が必要な問題

速報、4月2日付Defense-Newsによれば
米空軍とボーイングがRVS問題解決法で合意に至った模様
まず、暫定策として、ソフトとハードの対処療法を当面続け、更に数年かけてシステムの抜本的再設計(カメラやセンサーの変更を伴う)を実施する模様
●細部を両者語らず。いずれにしても2020年代半ばまで同機は実戦投入できず
A-10攻撃機に給油ブームを十分に差し込めない不具合で、米空軍側の要求性能値が正しくなかったために生じた不具合であることから、米空軍負担で約60億円の追加改修契約を昨年結び、改修が行われる

今回の燃料漏れは、上記3つに加え、4つ目の最重大不具合となります。ただ、不具合修理法は確立されており、専門の工場に搬入すれば約10日で修理が完了できるそうで、早くても2023年まで修理開始を待つ必要があるRVSに比べると、「傷は浅い」と言えましょう

3月31日付Defense-News記事によれば
30日米空軍は、更なるKC-46A空中給油機の不具合として、最も安全に関し深刻なレベルの「Category 1」な「過剰な燃料漏れ:excessive fuel leaks」を認めたと発表した
米空軍の声明によれば、この不具合が最初に見つかったのは2019年7月らしいが、なぜ8ヶ月も経過した今頃になって「Category 1」に格上げされたのか、どの程度の重大度なのか等の質問に対して、米空軍は答えなかった

ボーイング報道官は、(既に納入している約30機の中の)16機で燃料漏れ不具合が見つかり、既に内7機の修理を完了していると語った
●同社の発表声明では「KC-46は重複した燃料閉じ込め構造を備えているが、発覚した事例では、機体整備員により第1弾燃料収納バリアと第2段バリアの間で燃料漏れが発見されている」と説明している

KC-463.jpg米空軍報道官は「米空軍とボーイング社は協力して根本原因を究明し、対策を実行する」、「米空軍のKC-46計画室は、引き続き全てのKC-46の状態をモニターし、米空軍として機体の受領検査を燃料系統について強化し、部隊に配備される前に不具合を是正する」と語った
●ボーイング社は、最大限の迅速さをもって事象に対応し、テキサス州San Antonioの工場に持ち込まれた機体に対しては10日間で修理を完了する、としている。またワシントン州Everettの機体製造工場では、同様の問題を再発させない対策を完了している、と述べている
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ボーイングは既に組織としての呈をなしていないのかもしれません。上層部は既に、会社の切り売りと自身の転職にしか感心がないのかもしれません・・・

かわいそうなのは現場従業員と、ボーイング製品を買わされた米空軍とイスラエル空軍と航空自衛隊です
3度の機種選定をやり直してまで、世界中で活躍(英国、UAE、サウジ、シンガポール、豪州、インド、仏など)しているエアバスA330型の給油機を排除したことを、米空軍関係者は心のそこから後悔していることでしょう・・・

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米空軍によるKC-46A選定のゴタゴタ記録
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